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「職場のメンタルヘルス対策の実務 第2版」(民事法研究会 2013年3月15日発行)
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トップページ  最近の裁判例からみた人事労務管理の改善提案  給与減額

最近の裁判例からみた人事労務管理の改善提案

40.給与減額
〜3年間にわたる給与減額後の未払い請求〜
<N事件・東京地裁 平24.2.27判決 労判1048−72>


1 事件の概要
 この事件は、会社を解雇された社員Aが、在職中に賃金を20%減額されたこと等を不服として、賃金減額分の支払い等を請求した事案です。

2 裁判のポイント

1.労働契約の内容である労働条件の変更については、労使間の合意によって行うことができるところ(労働契約法8条)、一般に、この場合の合意は、明示であると黙示であるとを問わないものとされている。
 しかし、労働契約で、賃金は最も基本的な要素であるから、賃金額引下げの申入れに対して、ただ労働者が異議を述べなかったというだけでは十分ではなく、このような不利益変更を真意に基づき受け入れたと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要であり、この意味で、被告側の一方的な意思表示により賃金を改訂することができるものとする本件改訂条項は、労働契約法8条に反し無効というべきである。

2.これを本件についてみると、原告が、平成21年6月13日ころ、被告に対し、要求書により、従前の契約どおり月額60万円の給与の支払いを求め、また、過去の不利益変更相当分の給与の追加支払を求めるまでの間、約3年間にわたって本件給与減額後の給与を被告から受領し続けていたことについては、当事者間に争いがない。

3.しかし、証拠によれば、@本件給与減額については、その適用対象者が社長の妻である管理部長以外の正社員2名のみであり、反対の声を上げることが困難な状況にあったこと、A減額幅が20%減と非常に大幅なものであるにもかかわらず、激変緩和措置や代替的な労働条件の改善策は盛り込まれていないこと、B平成18年4月25日に実施した本件説明会において、被告が、売上げ・粗利益ともに振るわない現状にあることから、業績変動時の給与支給水準を設けたい旨を抽象的に説明したことは認められるものの、財務諸表等の客観的な資料を示すなどして、原告ら適用対象者に対し、このような大幅減給に対する理解を求めるための具体的な説明を行ったわけではないことが認められる。

4.以上によれば、たとえ、約3年間にわたって本件給与減額後の給与を被告から受領し続けていても、原告が、本件給与減額による不利益変更を、その真意に基づき受け入れたと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するということはできない。よって、本件給与減額につき、原告との間で黙示の合意が成立していたということはできない。

   以上により、時効で消滅した分を除いて、未払い分の賃金の請求を認めました。

3 裁判から学ぶこと
 今回は、賃金減額について争われましたが、約3年間にわたって減額後の給与を受領し続けていたにも関わらず、不利益変更に対する同意が不十分として、未払い賃金の請求が認められた点は注目されます。
 従って、就業規則(特に賃金のような重要な労働条件)を不利益に変更する場合は、丁寧な対応で、個別同意を得て、きちんと書面で証拠化しておくことが大切になります。
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