パート就業規則
契約更新
パートタイマーを雇用している場合は、例えば1年や半年単位の有期雇用契約にしていると思います。 現実的には期間終了と同時に雇い止めということは行われないでしょう。良い労働者には契約更新というかたちで継続して勤務していただいていると思います。 ただ、労働者によっては、期間満了とともに雇い止めということも生じます。この雇い止めを巡っては、結構争いがあるのも事実です。
「こんなに長く働いたんだから、いまになって契約打ち切りは困る」、「がんばれば正社員にしてくれるっていったじゃないか」等こんな感じです。 こういうトラブルがありますから、厚生労働省では、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を出しています。ここでのポイントは以下の4つです。
- 一 契約締結時の更新の有無、基準の明示
使用者は、有期契約労働者に対し、契約の締結時に契約更新の有無を明示しなければならない。使用者が有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、労働者に対して、契約を更新する場合又はしない場合の判断基準を明示しなければならない。 - 二 雇い止めの予告
使用者は、契約締結時に、その契約を更新する旨明示していた有期労働契約(3回以上更新されているか1年を超えて継続して雇用している場合に限る)を更新しない場合には、少なくとも契約期間の満了する日の30日前に予告しなければならない。 - 三 雇止め理由証明書の交付
使用者は、雇い止めの予告後に労働者が雇い止めの理由について証明書を請求した場合には、遅滞なく交付しなければならない。(雇い止めの後に労働者から請求された場合も同様である) - 四 長期契約の努力
使用者は、契約を1回以上更新し、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。
このような感じです。有期雇用契約の場合は、ただの期間を定めた契約ではなくて、労働者の立場にたって、それなりの配慮が必要になります。 この契約更新に関しては重要ですので、判例でもかなり取り上げられています。有期雇用契約の雇い止めに関する有名な最高裁の判例を2つとりあげます。これらの内容は、労働契約法第19条に反映されています。
(東芝柳町事件:最高裁昭和49年7月22日)
(日立メディコ事件:最高裁昭和61年12月4日)
認否の最も大きな判断基準は何かというと、「雇用継続の期待の合理性」といえます。すなわち、以下の雇用契約の内容から、労働者が雇用継続の期待を有するか否かを合理的に判断していくことになります。
- 更新の定めの基準
- 管理職の言動(長く勤めて欲しい)
- 更新回数、勤務期間
- 実情(手続き)
- 業務内容(継続的、臨時)
- 他の有期雇用契約者の更新状況
- 正社員との労働条件との差異
有給休暇の比例付与
まず、パート従業員でも有給休暇は取得することができます。パートだから有給は発生しないと考えたら間違いですので、まずは、ここをしっかり認識する必要があります。
ただ、パート従業員でも正社員と同様に以下の条件を満たす必要があります。
- 入社した日から6か月間継続勤務していること
- 全労働日の8割以上出勤していること
しかし、正社員とパート従業員とでは、労働日数に応じて有給休暇を取得できる日数は異なってきます。これを比例付与といいます。 具体的には、1週間の労働時間が30時間未満の者であって、次のいずれかに該当するものは比例付与の対象になります。
- 週の所定労働日数が4日以下のもの
- 週以外の期間で所定労働日数が定められている場合は、一年間の所定労働日数が216日以下のもの
なお、週30時間以上働く従業員は普通の従業員と同じ日数の有給休暇を与えることになります。
以下は、比例付与の一例です。
■ 週所定労働日数4日、1年間の所定労働日数169~216日:
-
勤続年数
- 6か月 :7日
- 1年6か月: 8日
- 2年6か月: 9日
- 3年6か月: 10日
- 4年6か月: 12日
- 5年6か月: 13日
- 6年6か月以上: 15日
ここで重要なのは、パート従業員の就業規則にこのことを明記しておくことです。これは、労働基準法で定められた権利ですので、きちんと周知しておく必要があります。
今後は、パート従業員の戦力化が重要です。また、優秀なパート従業員の社外流出を阻止するためにも、有給休暇についてはしっかり明示し、帰属意識を高めることも良いと思われます。
