規程・トピック 解説

出張旅費規程

出張とは

まず、出張ですが、これは、会社の命令で社外へ赴き、業務を行うものです。 距離や内容によっては、日帰りで済むものであれば、宿泊を要するものもあります。この費用の負担の問題が出てきます。

出張とは異なりますが、転勤で引っ越す場合もあります。こうした赴任についても、従業員は経済的負担が発生します。交通費、荷造り運送費、保険料、場合によっては一時的に宿泊費も必要になることもあるでしょう。

また、以下のように色々な問題があります。

  • 日帰り出張と宿泊出張の区別はどこでするのか。
  • 利用する交通機関はどうなのか。タクシーも自由に使えるのか。
  • 上司と部下では、交通機関は異なるのか(例:グリーン車か普通車か)。
  • 出張旅費の前払いは出来るのか。
  • 日帰りから宿泊へと変更できるのか。その場合の手続きはどうするのか。
  • 日当はどうなるのか。

上記は、あくまでも一例です。このように、色々な問題が出てくるので、事前に規程で明確にした方がよいでしょう。

旅費

旅費の種類と定義は、会社によって様々です。 例えば、以下のとおり定義します。

旅費の種類
ー 日帰り出張旅費
ー 宿泊出張旅費
ー 赴任旅費
旅費の定義 旅費とは、交通費、宿泊費のことをいう。赴任旅費の場合は、これ以外に荷造運送費、運送保険料も旅費に含むものとする。

ここでのポイントは、まず出張と通常の外出の違いを明確にし、さらに日帰り出張と宿泊出張の違いを明確にすることです。
例として、以下のように定めます。

◆日帰り出張
日帰り出張とは、片道100㎞以上の用務先に赴き、当日中に帰着することが可能なものであり、所属長が認めたものとする。
◆宿泊出張
宿泊出張とは、日帰り出張以外の地域への宿泊を伴う出張であり、所属長が認めたものとする。

こうしておけば、距離的要件で、出張と通常の外出を区別することができます。 また、日帰り出張は当日中に帰着することができるとし、宿泊出張はそれ以外としていますので、この点も明確に区分しています。さらに、上司の許可を必要としているので、当日中に帰着可能なものか否か、チェックできる体制もとっています。

ただ、そうはいっても、日帰り出張のつもりが、諸事情で翌日も同じ場所で打ち合わせることもあるでしょう。そうなると、一回帰宅して、また同じ場所に移動するのは、非効率です。このため、以下の内容を規程しておくとよいでしょう。

(宿泊出張への変更)
第○条やむを得ない事由により、宿泊を要したときは、所属長の承認の上、日帰り出張から宿泊出張へ変更することができる。

こうしておけば、この点について争いは生じなくなりますね。

出張手続き

まず、出張手続きは、事前申請で上司の許可を得ます。 そして、帰社後に出張報告をします。 就業規則の記載例は以下のとおりです。

(出張の申請)
第○条出張を命ぜられた者は、あらかじめ所定の様式を所属長に提出して、承認を受けるものとする。
(出張報告)
第○条出張者が出張より帰社した場合は、所属長に出張結果について報告しなければならない。

次に、出張には旅費が発生しますので、事前に仮払いを行うことも規定しておいた方がいいでしょう。 最終的には精算となります。

(旅費の仮払い)
第○条出張を命ぜられたものは、旅費の概算額を事前に所属長に届け出ることで、概算額の仮払いを受けることができる。
(旅費等の精算)
第○条出張業務が終了後、速やかに所定の様式に必要事項を記載し、領収書を添付の上、費用の精算を行なわなくてはならない。

基本的な手続きは以上です。 この他にも、出張中の予定変更や事故に対応するため、以下の規定も設けておいた方がいいでしょう。

(出張予定の変更)
第○条出張中において、予定していた経路または日程を変更する事態が生じた場合は、直ちに所属長に連絡し、承認を得なければならない。
(出張中の事故)
第○条出張中のものが、発病または災害等により、やむを得ず滞在した場合は、宿泊費を支給する。
2前項の支給を受ける場合は、医師の診断書または事実の証明がある資料を添付して、所属長の承認を得なければならない。

赴任旅費

全国的に事業活動をしている企業は、転勤はよくありますね。 以前は、持ち家を購入すると、なぜか転勤命令がでるというのを、よく聞いていました。 「さすがに家を買うと、転勤命令拒否で会社を辞めることはないだろう」と考えていたか否かはわかりませんが、転勤はある意味、会社員の宿命でしょうね。

さて、転勤となると、当然旅費が発生します。場合によっては、交通費のみならず、宿泊費も発生するかもしれません。こうしたことを事前に取り決めておくとよいと思います。 規定例は以下のとおりです。

(赴任旅費)
第○条転勤する役員または従業員については、旧住所地から新住所地に到着するまでの旅費を支給する。
2前条の旅費の内訳は、転勤に要する交通費、宿泊費、荷造運送費、運送保険料が該当し、いずれも実費を支給する。
3前項の荷造運送費および運送保険料については、単身赴任の場合は○○円、家族を同伴する場合は○○円までを限度とする。
4同居する親族については、交通費、宿泊費の実費を支給する。
5転勤の発令日より1年過ぎても、同居する親族が移転しない場合は、前項の規定は適用しないものとする。

このように赴任旅費の定義、家族の対応等を明確にしていくとよいでしょう。 また、当然仮払いのケースがありますから、事後精算も必要になります。この規定例は以下のとおりです。

(赴任旅費の精算)
第○条赴任した後、速やかに所定の様式に必要事項を記載し、領収書を添付の上、費用の精算を行なわなくてはならない。

逆に、会社から概算額を事前に支給してもらう場合もあるでしょう。 この場合の規定例は以下のとおりです。

(赴任旅費の仮払い)
第○条転勤を命ぜられたものは、旅費の概算額を事前に所属長に申請することで、概算額の仮払いを受けることができる。

また、会社によっては、赴任手当を支給する場合もあると思います。 これも、明確にしておいた方がいいでしょう。

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モデル出張旅費規程 との併読で、より理解を深めていただけます。

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