慶弔見舞金制度の目的
「慶弔見舞金規程」をテーマに解説いたします。
まず、慶弔見舞金とは、会社が社員やその家族の慶弔時に、お祝い金や弔慰金などを支給するものです。多くの会社では、慶弔見舞金に関する制度を設けて実施しています。
慶弔見舞金制度の主な目的は、以下の通りです。
社員の会社への帰属意識の醸成
社員のお祝い事やお悔やみ事に関して、慶弔見舞金を支給することで、社員は「会社が自分のことを大切な存在として気にかけてくれている」と感じます。
このため、社員の会社への帰属意識が醸成され、離職率の低下や士気向上につながります。
経済的支援
社員やその家族が負傷、疾病、障害、死亡などが生じた場合、または災害により住居が被災するなどした場合に、会社が社員や家族に対して経済的な支援を行うことで、社員の経済面での不安の軽減を図ります。
なにかと金銭面で支出が増えるため、会社からの支援があると助かる社員も多いかと思います。
採用面でのアピール
自社サイトの人材募集要項に慶弔見舞金制度を記載することで、福利厚生制度の充実度合、ひいては社員のことを大切に考えていることの良いアピールになります。
主な慶弔の種類1
慶弔見舞金の目的については、お分かりいただけたかと思います。しかしながら、ひとことで見舞金と言っても、どのようなものがあるのでしょうか。
「主な慶弔の種類」について解説していきます。それでは、お祝い金についてみていきましょう。
祝い金
主に、次の3つのタイプの祝い金を規定し、運用している企業が多くみられます。
(1)結婚祝金
社員が結婚した場合に、支給する祝い金です。初婚の場合は、多くの会社で結婚祝金を支給しています。
また、会社によっては再婚でも祝い金の支給対象としていますが、その場合の支給額については、初婚と異なる額(例:初婚の半額)とする場合があります。
また、社員の子供が結婚する場合につきましても、結婚祝金を支給する会社もあります。
(2)出産祝金
社員が出産した場合に、支給する祝い金です。多くの会社で出産祝金を支給しています。
この出産祝金は、第1子に限らず、第2子以降でも支給対象としている場合が多くみられます。
なかには、第2子以降の出産については支給額を増額するケースもあります。例えば、第1子:1万円、第2子:2万円、第3子:3万円を支給するなどです。
出産祝金として100万円という額を支給する会社もあります。こちらは特殊なケースではありますが、今後は少子化対策を考慮して、出産祝金を増額する会社が増加するものと思われます。
また、女性社員本人が出産する場合と社員の配偶者が出産する場合がありますが、社員の子供が誕生することには変わりませんので、特に支給額については男女で異なる取り扱いをしていないのが一般的です。
(3)子供の入学祝金
社員の子供が小学校や、中学校に入学した場合などに、祝い金を支給するものです。
主な慶弔の種類2
弔慰金
次の2つのタイプの弔慰金を規定し、運用している企業が多くみられます。
(1)本人弔慰金
社員が死亡した場合に支給する弔慰金です。
多くの会社で設けられている弔慰金であり、香料、香典など、様々な名称があります。
勤続年数別、役職別に区分して金額を設定したり、業務上、私傷病により支給額を変える場合もあります。
(2)家族の死亡弔慰金
社員の家族や親族が死亡した場合に支給する弔慰金です。
配偶者、子供、社員本人の両親の死亡に対しては、多くの会社において弔慰金の支給を対象にしています。
また、配偶者の父母、本人の兄弟姉妹、祖父母の死亡についても支給対象としている場合もあります。
見舞金
主に、次の2つのタイプの見舞金を規定し、運用している企業が多くみられます。
(1)傷病見舞金
病気や怪我で休業した場合に傷病見舞金を支給する場合もあります。
業務上外の違いや勤続年数により、傷病見舞金の金額を設定している場合があります。
(2)災害見舞金
震災や火災風水害等で、社員の住居や家財が被災した場合に支給するものです。
被災の程度別(全壊、半壊)に応じて、災害見舞金の支給額を変える場合があります。
慶弔見舞金支給規程への記載項目
慶弔見舞金の目的や主な種類が分かったところで、従業員への支給のための規程に記載する項目(要素)についてお伝えします。
支給する慶弔見舞金の種類
まず、結婚祝金、出産祝金、死亡弔慰金等、支給する慶弔見舞金の種類を明確にします。
適用範囲
同一労働同一賃金の観点から、基本的には全社員を対象にします。
勤続年数に応じて支給額を変える場合もあります。
手続き
慶弔見舞金の手続きについて規定します。
また、手続きの際には、必要に応じて事実を確認できる書類(例/結婚:婚姻届受理証明書)を社員から提出させてもよいでしょう。
支給額等
慶弔見舞金の種類毎に、支給額を記載します。
その上で、慶弔見舞金の内容に応じて、必要事項を規定します。
例えば結婚の場合、「再婚は半額とする」などがあります。
規定例「結婚祝金」
以下は、「慶弔見舞金支給規程」の中の結婚祝金の規定例となります。
| 第〇条 | 社員が結婚した場合に、次の勤続年数の区分で結婚祝金を支給する。 (1) 勤続5年未満の者 10,000円 (2) 勤続5年以上10年未満の者 20,000円 (3) 勤続10年以上の者 30,000円 |
| 2 | 前条の結婚が再婚の場合であり、既に会社から支給を受けたことがある場合は、祝い金を半額とする。 |
| 3 | 結婚の当事者双方が、社員の場合でも祝い金は各々に支給する。 |
| 4 | 結婚式に社長が出席しない場合は、会社は社長名で祝電を送り、結婚を祝福するものとする。 |
解 説
- 支給金額は、勤続年数別に変更しています。
勤続年数が長いほど、長年会社に貢献してきたことになりますので、支給額を増額しています。 - 再婚でも祝金を支給することとしています。
既に支給されている場合は、同額でなく、半額という取扱いにしています。 - 社員同士の結婚では、二人にそれぞれ支給することとしています。
お祝いですので、それぞれに支給することが良いと思います。 - 結婚式には社長出席というわけではありません。規模が大きい企業だとなかなか難しいですね。
ただ、社員のお祝い事ですので、会社としては、単にお金を支給するだけでなく、祝電というかたちで、お祝いの気持ちを社員に届けると良いでしょう。
