
h2>【概要】
あるネット広告・Webメディア運営会社では、Ⅹのフォロワー獲得手当を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
- 実名または会社名のアカウントで、自社のイベントからプライベートな内容まで発信することができます。原則、週1回の投稿が前提となります。
- 支給額は、フォロワー数に応じてアップします。つまり、フォロワー数が多いほど、多く受給できることになります。
- ある部長職の社員は、「仕事以外に、趣味の内容もよくつぶやいている」と話しており、既にフォロワー数は2,000人超の社内2位となっています。
【意見・感想・解説】
Ⅹのフォロワー数に応じた支給手当を導入している事例を取り上げました。この会社の事業内容を確認したところ、クライアントのⅩ広告支援を行っています。
つまり、社員のⅩへの関心を高めるため、このような手当制度を導入しているということです。
自社の事業内容と福利厚生を結びつける例は、これまでメルマガでもいくつか紹介してきました。例えば、以下のような感じです。
歯科の定期予防受診に対して補助金を支給
「ペット給」と「里親給」を支給
プロポーズ休暇制度を導入
今回もまさに、そのような感じですね。
社員のⅩへの関心が高まり、最終的に自社のⅩ広告ビジネスの強化につながることを狙っているものと思われます。
ちなみに私のⅩ歴は長く、フォロワー数は30,000人を超えていますので、私だったら、どのくらい手当がもらえるのか、気になったりしています(笑)。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
日々の業務に真摯に取り組み、会社の成長を支えてくださっている皆様に、心より感謝しています。
このたび、当社では「Xフォロワー獲得手当制度」を導入することとしました。この制度は、単にフォロワー数を増やすことだけを目的としたものではありません。皆様一人ひとりがSNSを通じて発信する楽しさや難しさを実感し、情報への感度を高め、当社の事業への理解をさらに深めていただきたいという思いから生まれた制度です。
当社の仕事は、広告やWebメディアを通じて、お客様の魅力や価値を社会に届けることです。そのためには、社員である皆様自身が、日頃から情報発信に親しみ、世の中の反応を感じ、自分の言葉で伝える力を磨いていくことが大切だと考えています。
もちろん、会社が何より大切にしているのは、皆様が安心して働き続けられる環境をつくることです。今回の制度も、皆様に新たな負担をかけるためのものではなく、楽しみながら成長できる機会を増やし、その取り組みを会社として応援したいという気持ちを形にしたものです。
仕事に関することだけでなく、日々の気づき、学び、趣味、暮らしの中で感じたことなど、皆様らしい発信が積み重なることで、会社全体の魅力も自然と広がっていくものと信じています。一人ひとりの個性や感性は、会社にとって大切な財産です。
これからも当社は、社員の皆様が自分らしく働き、成長し、長く安心して活躍できる会社であり続けたいと考えています。皆様の挑戦を会社としてしっかり支え、ともに学び、ともに成長していきましょう。
今後とも、皆様の前向きな取り組みに期待しています。
代表取締役社長〇〇〇〇
Xフォロワー獲得手当制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員がXを活用した情報発信を行い、SNSに対する理解、発信力および情報感度を高めることにより、当社の広告支援業務、Webメディア運営業務および企業価値の向上に資することを目的とする。
(対象者)
第2条 本制度の対象者は、会社が認めた社員とする。
2 対象者は、実名、会社名または会社が承認した名称を用いたXアカウントにより、本制度に参加するものとする。
3 会社は、業務内容、雇用形態、勤務状況その他の事情を踏まえ、本制度の対象者を決定することができる。
(対象アカウント)
第3条 本制度の対象となるアカウントは、事前に会社へ届け出たXアカウントとする。
2 対象アカウントは、社員本人が適切に管理し、第三者に譲渡、貸与または不正利用させてはならない。
3 対象アカウントを変更する場合は、あらかじめ会社所定の方法により申請し、承認を受けなければならない。
(投稿内容)
第4条 社員は、対象アカウントにおいて、当社のイベント、サービス、業務に関連する内容のほか、本人の趣味、日常の気づき、学びその他会社が認める内容を投稿することができる。
2 投稿にあたっては、会社の信用を損なわないよう、社会人として適切な内容、表現および態度を保持しなければならない。
3 社員は、会社の機密情報、顧客情報、個人情報、未公表情報その他会社が不適切と判断する情報を投稿してはならない。
(投稿頻度)
第5条 社員は、原則として週1回以上、対象アカウントにおいて投稿を行うものとする。
2 やむを得ない事情により投稿ができない場合は、事前または事後速やかに会社へ報告するものとする。
3 会社は、投稿頻度が著しく少ない場合、本手当の全部または一部を支給しないことができる。
(手当の支給)
第6条 会社は、対象アカウントのフォロワー数に応じて、Xフォロワー獲得手当を支給することがある。
2 手当の支給額、支給区分、算定基準日は、会社が別に定める。
3 フォロワー数が増加した場合であっても、投稿内容、勤務状況、アカウント運用状況その他会社が不適切と判断する事情があるときは、会社は手当を支給しないことができる。
(支給額の基準)
第7条 本手当の支給額は、対象アカウントのフォロワー数に応じて、次の区分を参考に会社が決定する。
1.フォロワー数500人以上1,000人未満 月額◯円
2.フォロワー数1,000人以上2,000人未満 月額◯円
3.フォロワー数2,000人以上5,000人未満 月額◯円
4.フォロワー数5,000人以上10,000人未満 月額◯円
5.フォロワー数10,000人以上 月額◯円
2 前項の金額は、会社の業績、制度運用状況、SNS環境の変化その他の事情により見直すことがある。
(社内手続き)
第8条 本制度の利用を希望する社員は、会社所定の申請書または申請フォームにより、対象アカウント名、アカウントURL、投稿方針その他会社が求める事項を届け出なければならない。
2 会社は、申請内容を確認し、本制度の対象として適当と認める場合に承認する。
3 対象者は、会社が指定する期日までに、フォロワー数、投稿実績その他会社が求める事項を報告しなければならない。
4 会社は、必要に応じて対象アカウントの投稿内容、フォロワー数、運用状況を確認することができる。
5 社員が報告を怠った場合、または虚偽の報告を行った場合、会社は本手当の支給を停止し、既に支給した手当の返還を求めることができる。
(禁止事項)
第9条 社員は、本制度の利用にあたり、次の行為をしてはならない。
1.フォロワーの購入その他不正な方法によりフォロワー数を増加させる行為
2.会社、顧客、取引先、他の社員または第三者を誹謗中傷する行為
3.差別的表現、攻撃的表現、虚偽情報または公序良俗に反する内容を投稿する行為
4.会社の機密情報、顧客情報、個人情報その他保護すべき情報を投稿する行為
5.会社の信用またはブランドを毀損する行為
6.その他会社が不適切と判断する行為
(是正指示および支給停止)
第10条 会社は、社員の投稿内容またはアカウント運用が不適切であると判断した場合、当該社員に対して投稿の削除、訂正、運用方法の改善その他必要な是正を指示することができる。
2 社員が前項の指示に従わない場合、会社は本手当の支給を停止し、または本制度の対象から除外することができる。
3 社員の行為が就業規則その他会社規程に違反する場合は、当該規程に基づき取り扱うものとする。
(制度の変更および廃止)
第11条 会社は、事業環境、SNS環境、会社業績、制度運用状況その他の事情により、本制度の内容を変更し、または廃止することができる。
2 会社は、本制度を変更または廃止する場合、原則として事前に社員へ周知するものとする。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
顧問契約サービスのご案内
今回のように、新しい手当制度やSNS活用に関する制度を導入する場合、制度の目的や支給基準を明確にすることはもちろん、投稿内容、情報管理、会社の信用保持、不適切投稿への対応など、あらかじめ検討しておくべき事項が多くあります。
特に、社員の自主的な発信を促す制度は、うまく運用すれば社員の成長や会社の魅力発信につながる一方で、機密情報や個人情報の漏えい、誹謗中傷、炎上リスクなどのトラブルにつながる可能性もあります。そのため、制度設計の段階から、トラブルを予防する視点と、万一問題が発生した場合に適切かつ迅速に対応できる体制づくりが重要です。
また、福利厚生や手当制度は、単なる金銭的な支援にとどまらず、会社の考え方や人材戦略を社員に伝える大切な手段でもあります。自社らしい制度を整備し、社員が安心して働き、成長できる環境をつくることは、優秀な人材の確保及び定着にもつながります。
顧問契約では、就業規則や各種規程の整備、労務トラブルの予防、社員対応、制度設計に関するご相談など、企業の実情に応じて継続的にサポートしています。新しい人事制度や手当制度の導入をご検討の際は、ぜひご相談ください。
顧問契約の内容
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員



