
【概要】
あるスノーボードやアウトドア商品を取り扱う会社では、「ライディングデー」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.「ライディングデー」とは、夏季と冬季の計3日間で、夏季は会社が用意する2日間のうち、参加可能な1日を選んでサーフィンを楽しみます。冬季は各自が自由に2日を選んでスノーボードを楽しむというものです。
2.どちらも平日に特別休暇を利用して行います。会社からの補助もあります。夏季は1~2割程度、冬季は社員の半数近くがこの休暇を取得しています。
【意見・感想・解説】
今回は、「ライディングデー」という特別休暇制度を取り上げました。いわゆる自社事業に関連した休暇制度ですね。
スノーボードを販売する会社が、社員のスノーボードを楽しむことに対して休暇を付与するものです。スノーボードに関して社員の商品知識の拡大、また商品への愛着を考えると社員がスノーボードで楽しむことができていることが、とても有効です。自社の事業に関連したとても興味深い制度です。
ただ、気になるのが取得率ですね。スノーボードは、半数近くが利用とのことですのでまずまずですが、サーフィンは1~2割程度では少ないと思います。
ライディングデーという名にはふさわしくないかもしれませんが、夏はハイキング等、もう少し多くの社員が楽しめるような取得要件にしてもよいと思います。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に取り組み、会社を支えてくださっていることに、心より感謝しています。
当社は、社員の皆様一人ひとりの存在を何よりも大切に考えています。会社の成長は、数字や仕組みだけで実現できるものではありません。現場で努力を重ね、お客様と向き合い、仲間と支え合いながら前に進んでくださる皆様の力があってこそ、今の当社があります。
今回導入する「ライディングデー制度」は、単なる福利厚生のひとつではありません。皆様に仕事だけでなく、自分らしい時間や、当社の事業に関わる楽しさを実感していただきたいという思いを込めた制度です。サーフィンやスノーボード、その他のアウトドア活動を通じて、心と身体をリフレッシュしながら、商品や事業への理解をより深めていただければと願っています。
会社は、社員の皆様が安心して長く働ける環境をつくることを大切な責任だと考えています。働く中でやりがいや誇りを感じられること、そして「この会社でこれからも働きたい」と思えることが、何より重要です。そのためにも、皆様の声に耳を傾けながら、より利用しやすく、より多くの方にとって価値ある制度へと育てていきたいと考えています。
趣味や体験を楽しむことは、決して仕事と切り離されたものではありません。皆様が人生を豊かにし、心身ともに充実した状態で働くことは、会社にとっても大きな力になります。当社は、これからも社員の皆様を大切にし、安心して力を発揮し続けられる職場づくりに努めてまいります。
これからも共に支え合い、成長しながら、より良い会社をつくっていきましょう。
代表取締役社長〇〇〇〇
ライディングデー制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員がサーフィン、スノーボードその他これに準ずる当社事業に関連する活動を体験する機会を設けることにより、商品知識の向上、業務理解の促進、健康保持増進および働きがいの向上を図ることを目的として、ライディングデー制度に関し必要な事項を定めるものとする。
(適用対象者)
第2条 本規程は、当社に勤務する社員のうち、会社が適当と認めた者に適用する。
2 前項の適用対象者の範囲、対象となる雇用区分その他必要な事項は、別途社内通知または申請要領により定めるものとする。
(制度の内容)
第3条 ライディングデーとは、社員が平日に特別休暇を利用して、会社が認める活動に参加することができる制度をいう。
2 対象となる活動は、次の各号のとおりとする。
1.夏季活動 サーフィンその他会社が認めるマリンスポーツまたはアウトドア活動
2.冬季活動 スノーボードその他会社が認めるウィンタースポーツ活動
(実施日数)
第4条 ライディングデーとして利用できる日数は、夏季および冬季を通じて計3日以内とする。
2 夏季活動については、会社があらかじめ指定する2日の候補日のうち、社員は参加可能な1日を選択して利用するものとする。
3 冬季活動については、社員は会社が定める対象期間内において、各自の希望により2日を選択して利用することができる。
4 業務運営上必要がある場合は、会社は利用可能日、対象期間または日数を変更することがある。
(特別休暇としての取扱い)
第5条 ライディングデーを利用する日は、所定の手続を経た場合に限り、特別休暇として取り扱う。
2 前項の特別休暇の賃金は有給とする。
(利用条件)
第6条 社員は、本制度の利用にあたり、安全に十分配慮し、法令、施設管理者の定めおよび会社の指示を遵守しなければならない。
2 社員は、自己の健康状態を踏まえ、無理のない範囲で活動を行わなければならない。
3 会社は、天候、災害、感染症の流行、施設の営業状況その他やむを得ない事情により、制度の利用を制限し、または中止することがある。
(費用補助)
第7条 会社は、社員がライディングデーを利用して対象活動を行う場合、予算の範囲内で活動費の全部または一部を補助することがある。
2 補助の対象となる費用は、参加費、施設利用料、交通費、用具使用料その他会社が認める費用とする。
3 補助額、補助率、支給方法および支給時期は、別途定める運用基準によるものとする。
4 虚偽その他不正な申請により補助を受けた場合、会社はその全部または一部の返還を求めることができる。
(申請手続)
第8条 社員がライディングデーを利用しようとするときは、あらかじめ所定の申請書または会社が指定する方法により、所属長に申請し、会社の承認を受けなければならない。
2 夏季活動の申請は、会社が指定する期日までに行うものとする。
3 冬季活動の申請は、利用予定日の相当期間前までに行うものとし、詳細は別途定める。
4 申請内容に変更が生じた場合または利用を取りやめる場合は、速やかに所属長および担当部署へ届け出なければならない。
(承認手続)
第9条 所属長は、前条の申請があったときは、業務の繁閑、他の社員の休暇取得状況、申請内容の適正性その他の事情を勘案し、承認の可否について判断するものとする。
2 会社は、業務運営に支障があると認めるとき、申請内容が本制度の趣旨に適合しないと認めるとき、または安全上の懸念があると認めるときは、申請を承認しないことがある。
(利用報告)
第10条 社員は、ライディングデーを利用したときは、会社が定める方法により、利用後速やかに実施報告を行うものとする。
2 前項の報告には、活動内容、所感、業務への活用事項その他会社が必要と認める事項を含めるものとする。
3 費用補助を受ける場合は、領収書その他会社が指定する書類を提出しなければならない。
(会社内での活用)
第11条 会社は、ライディングデーの利用を通じて得られた知見、意見、感想等について、商品知識の共有、販売促進、接客力向上、研修資料作成その他の社内活動に活用することがある。
2 社員は、前項の活用に協力するよう努めるものとする。
(遵守事項)
第12条 社員は、ライディングデーの利用にあたり、会社の信用を損なう行為をしてはならない。
2 社員は、飲酒その他安全な活動を妨げる行為をしてはならない。
3 社員は、事故、けがその他トラブルが発生した場合は、速やかに会社へ報告しなければならない。
(制度の見直し)
第13条 会社は、本制度の利用状況、業務上の必要性、社員の意見その他の事情を踏まえ、対象活動、日数、要件、補助内容その他制度の運用について見直しを行うことがある。
(主管部署)
第14条 本制度の主管部署は、総務部、人事部その他会社が指定する部署とし、申請受付、承認管理、補助金処理、運用見直しその他必要な事務を行うものとする。
(附則)
第15条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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