
概要
ある財産コンサルティング会社では、独自の福利厚生として「記念日休暇」を導入しています。
具体的には、社員本人の両親の誕生日または命日がある月に、父母それぞれについて1日ずつ休暇を取得できます。両親の存在に想いを馳せ、家族との時間を大切にする機会として位置づけられています。
この会社は、個人や企業オーナーを対象に、財産承継や事業承継などのコンサルティングを行っています。そのため、社員自身が家族との時間を大切にし、自分のルーツを見つめ直すことが、人に寄り添う力やサービス品質の向上につながると考えています。
意見・感想・解説
今回は、両親に関する記念日休暇制度を取り上げました。この「記念日休暇」は、会社の事業特性と福利厚生をうまく結び付けた制度です。
この会社では、財産承継や事業承継という、家族や人生に深く関わるサービスを提供しています。その一方で、社員にも家族や自分のルーツを見つめ直す機会を設けています。制度の趣旨と会社の理念に一貫性があり、会社らしさが表れた福利厚生といえるでしょう。
両親の誕生日だけでなく、命日も対象としている点が特徴的です。両親の年齢や状況にかかわらず利用できるため、幅広い世代の社員が家族との時間を大切にできます。
例えば、次のような活用方法が考えられます。
・20代の社員が、両親の誕生日を祝う旅行や食事のために利用する。
・30代や40代の社員が、帰省や家族との観光のために利用する。
・50代以降の社員が、墓参りや家族で思い出を語る時間のために利用する。
自社の事業内容や経営理念に合った福利厚生を設計するという点で、非常に参考になる制度です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
会社にとって、社員一人ひとりは、共に未来を築いていく大切な存在です。皆様が安心して長く働き続けるためには、仕事だけでなく、家族を想い、自分自身の歩みを振り返る時間も大切にしてほしいと考えています。
記念日休暇が、ご両親への感謝を伝え、家族とのつながりを深める機会となることを願っています。皆様が心豊かに働き、それぞれの経験を仕事にも生かしながら、これからも当社で活躍してくださることを期待しています。
代表取締役社長〇〇〇〇
記念日休暇制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員が両親に感謝し、家族との時間や自らのルーツを大切にする機会を確保するため、記念日休暇制度について必要な事項を定めるものとする。
2.会社は、本制度を通じて、社員の心身の充実、働きやすい職場づくりおよび長期的な定着を図る。
(対象者)
第2条 本規程は、会社の就業規則が適用されるすべての社員を対象とする。
(対象となる両親)
第3条 本規程における両親とは、社員の実父母または養父母をいう。
2.前項に準ずる者で、社員を養育した事実がある者については、本人からの申出に基づき、会社が対象者として認めることがある。
(休暇の付与)
第4条 社員は、父または母の誕生日もしくは命日が属する月に、対象者1人につき1日の記念日休暇を取得することができる。
2.父母の記念日が同じ月にある場合は、同月中に合計2日まで取得することができる。
3.記念日休暇は1日単位で取得するものとし、翌月または翌年度へ繰り越すことはできない。
(取得手続)
第5条 記念日休暇を取得しようとする社員は、原則として取得希望日の7日前までに、会社所定の方法により所属長へ申請し、承認を受けなければならない。
2.社員は、制度を初めて利用する際に、対象となる両親および記念日の区分を会社へ届け出るものとする。
3.やむを得ない事情により事前申請ができない場合は、速やかに所属長へ連絡し、事後に所定の手続きを行うものとする。
(取得日の調整)
第6条 会社は、社員の希望を尊重して記念日休暇を承認する。ただし、同一時期に申請が集中し、事業の正常な運営に著しい支障が生じる場合は、本人と協議のうえ、対象月内の別の日への変更を求めることがある。
2.所属長は、社員が本制度を利用しやすい職場環境の整備に努めるものとする。
(賃金等の取扱い)
第7条 記念日休暇を取得した日は有給とし、通常の賃金を支払う。
2.記念日休暇は、労働基準法に定める年次有給休暇とは別に付与する。
3.会社は、本制度の申請および利用を理由として、社員に不利益な取扱いを行わない。
(附則)
第8条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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