ハラスメント対策 解説コーナー

良好な職場環境の形成

はじめに

ハラスメントを発生させないためには、ハラスメントと真逆のことを社内で自然なかたちで実施できていることが大切です。

例えば、職場のパワハラは、「優越的な関係を背景とし、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境が害されること」です。

すなわち、こうしたパワハラ言動と真逆の言動が社内に根づいている必要があります。

職場環境を良くする4つの原則

上記の達成のためには、以下の 4つの原則を推進し、良好な職場環境を形成することが有効です。

  1. 名前を覚える、名前を言う
  2. あいさつする
  3. ほめる
  4. 感謝する

この4原則を実施するうえで、以下の留意点があります。

あまり費用をかける必要はない

極端なことをいえば、4原則については本人の気持ちの問題のため、基本的にコストが発生するものではありません。

ただし、軌道に乗せるには、社内制度化して一定の費用をかける(例:サンクスカード制度を導入し、多く感謝された人を表彰する)ことも考えられます。 その場合も負担にならない程度とし、初めはできることから小さく行います。

相手との距離を短くすることを意識する

ここでは、心理的な距離を意味します。例えば、「上司と部下との距離」「同僚間の距離」であり、この距離を短くすることを意識して、4原則を実施します。

あいさつする場合などは、相手の目を見てきちんと聞こえるように、笑顔であいさつします。相手が部下であれば、上司との心理的距離が短くなり、相談しやすい雰囲気ができます。

次に、4つの原則について解説します。

1.名前を覚える、名前をいう

相手の名前を覚えないことを、正当化してはいけない

時々、以下のような話を聞くことがあります。

  • ”入替わりが頻繁なアルバイトの名前を、いちいち覚えられない…。”
  • ”外部の掃除業の人の名前まで、覚えなくてもよいのではないか…?”

このように、「アルバイトだから」「外部の人だから」などの理由を述べ、名前を覚えないことを正当化していますが、これではいけません。 この方たちも、自分たちの会社を支えてくれる立派な仕事仲間です。

名前を覚えることの大切さ

自己啓発書で世界的に著名なデ―ル・カーネギーは、著書「人を動かす」で、名前を覚えることの大切さについて、次のように述べています。

“名前は、当人にとって、もっとも快い、もっとも大切な響きを持つことばであることを忘れない”

名前を呼ばれると、自分が“認められた”と感じる効果があり、呼んでくれた人に親近感を抱くものです。ですので、日頃お世話になっている相手を尊重する気持ちで、出来るだけ相手の名前を呼ぶように心がけましょう。

2.あいさつする

あいさつの重要性

きちんと要件さえ伝われば、「挨拶をしても、しなくても」たいした違いはないと思っているでしょうか。

確かにあいさつがなくても、例えば、「この商品をください」、「1,000円です」の会話だけで、取引は成立します。

しかしながら、挨拶ひとつで人間関係がうまくいったり、いかなかったりすることがあります。

それは、あいさつが明確な内容を持たない言葉であるがゆえに、あいさつする人の心がそのまま表面に表れ、相手に「心の中」が見えてしまうからです。

ビジネスにおけるあいさつ

ビジネスの世界でも、あいさつは人間関係の潤滑油です。従って、あいさつをすることも仕事の一部といえます。

もし、いいかげんなあいさつをしていますと、場合によっては仕事の能力や人格が疑われてしまい、仕事そのものに影響することもあるでしょう。

一方、 あいさつが、 きちんとできる人は、 社内外を問わず、 信頼できる人と評価されることにつながります。

あいさつの引き出し

感謝するありがとうございます/先程は助かりました
あやまる申し訳ございません/お手数をおかけしました
恐縮する恐れ入りますが
待ってもらうお待ちいただけますか
何かを引き受ける承知いたしました/かしこまりました
席を立つ少々、失礼いたします
ねぎらうお疲れさまです/ご苦労さまです

3.ほめる

ほめられることの喜び

誰しも、人から褒められると嬉しいものです。

人はほめられることでドーパミンという脳内物質が分泌されると言われており、この物質は”幸せホルモン”と言うべきもので、精神を安定させ気分を高める効能があります。 その結果、快感やワクワク感が得られます。

また、ドーパミンは人が行動を起こすための活力になると言われています。従って、部下の優れた部分や行いをほめることで、部下は自ら考えて次の行動をとることが期待できます。

第三者を介してほめる

このように、相手をほめることは良い流れを作りますが、面と向かってほめることは照れが入るなど、難しいものがあります。 そのような場合は、第三者を介してほめるやり方が有効です。

第三者を介してほめるとは、「発信者」「中継者」「受信者」の3つの関係がべ―スになります。 この具体例は、次の通りです。

■ A部長(発信者)→B主任(中継者)

「Cさんは、最近お客様からの評判が良いようだね。仕事のスピードも速くなったし、本当に成長してきたなあ」

後日・・・

■  B主任(中継者)→Cさん(受信者)

「A部長が、キミ(Cさん)のこと、”最近お客様からの評判がいいし、仕事のスピードも速くなって、本当に成長してきた”と感心していたよ」

このように、A部長が自分のことをほめていたことを、CさんがB主任から聞くことになります。 このときCさんは、「A部長が自分の仕事ぶりを評価してくれている」ことが分かり、とても嬉しい気持ちになり、やる気が湧いてきます。

また、第三者のB主任から聞いているため、お世辞ではなく、内容に信憑性があると感じ、社員のモチベーションアップにつながります。

メールやチャットでほめる

以下に示すのは、営業先での商談に対して結果を出せた場合のメール文例です。

伊藤さん

ご苦労様です。大田です。
○○株式会社の件、報告読みました。正式受注おめでとう。 先方への提案書や活動日報を見るにつけ、伊藤さんは全力で頑張っていると感じました。 しっかりした仕事ぶりに感心しています。
これからも頼りにしています。

このように、メールやチャットなどのテキストでは、比較的、相手をほめやすいのではないでしょうか。

また、このようなメールやチャットは残っていますので、後で読み返すと気分がいいものです。

4.感謝する

感謝のこころ

自分の持っている幸せに気づく方法に、「感謝すること」があります。

感謝することは、その存在をありがたいと思うことです。また、それがあるお蔭で自分が助けられていると思うことです。

「感謝」は自分自身が持っている幸せを引き出してくれます。「ありがたい」と心から思うことで幸せな気分になります。

大切な言葉「ありがとう」

そして、感謝を伝える代表的な言葉は、何と言っても「ありがとう」です。

この「ありがとう」が社内で当たり前のように飛び交っていれば、職場環境が良好になっていきます。なぜなら、日本人は「ありがとう」と言われることが、大好きだからです。

以前、住友生命が「あなたを笑顔にしてくれる言葉は何ですか?」というアンケートを実施しました。 その調査結果は、第1位「ありがとう」(48.4%)、第2位「大好き」( 9 %)、第2位「愛している」(2.5%)でした。「ありがとう」が、圧倒的に高い結果が出ています。

また、NHK放送文化研究所の調査でも、「日本人の好きな言葉」のトップが「ありがとう」(67%)でした。

感謝を伝える社内制度

「ありがとう」のコトバが自然に社内で飛び交えば、社内での人間関係が良くなることは明白です。一方で、ほめることと同様に、人によってはなかなか「ありがとう」と感謝の言葉を述べることは難しい面があります。

そこで、多くの会社では,「感謝」に関するさまざまな制度を導入しています。いわば、半ば強制的に、人にお礼を述べたくなるような出来事を探し出し、感謝を伝えるという仕組みです。その代表格が「サンクスカード制度」です。

当社のメルマガでも、以下の内容を取り上げて解説しています。是非、参考にして下さい。

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