ハラスメント防止規程
8.懲戒処分、被害者対応、再発の防止
(1)懲戒処分
| (ハラスメントに対する懲戒処分) | |
|---|---|
| 第18条 | 以下の各号に該当する社員に対し、原則として、就業規則に基づき、懲戒処分を行う。
|
| 2 | ハラスメント行為が悪質な場合は、懲戒解雇を行うものとする。 |
ワンポイント解説
ハラスメント行為に関する懲戒処分に関する規定です。
懲戒については、就業規則の中で規定する場合、又は、別途懲戒規程を設けて対応する場合があります。ここでは、就業規則での対応としています。
職場の管理職については、部下のハラスメント行為を放置していた場合、監督責任を問うことにしています。これは、ハラスメントは会社の安全配慮義務違反につながるため、職場の管理者の監督責任が重大であるためです。
また、意図的に、ある特定の社員を陥れるために、相談窓口等に虚偽の報告をした場合も、懲戒処分の対象としています。
なお、第1項では、「原則として」を挿入しています。これは、ハラスメントの程度が軽く、行為者が深く反省しているような特段の事情があれば、あえて懲戒処分とはせずに、厳重注意処分で留めることもあり得るためです。
(2)被害者に対する措置
| (被害者に対する措置) | |
|---|---|
| 第19条 | 会社は、被害者の就業環境の改善のため、必要な措置を行うものとする。 |
ワンポイント解説
この規定も、社員に安心感を与えるものです。
例を挙げますと、加害者と被害者を引き離すための配置転換をすることで、お互いの業務を円滑にするとともにメンタル面の健全性を図ったり、行為者に対して被害者への謝罪要求をすることなどがあげられます。
(3)再発の防止
| (再発の防止) | |
|---|---|
| 第20条 | 会社は、ハラスメントが発生した場合は、速やかに再発防止に取り組むこととする。 |
| 2 | 社員が、他社の労働者からハラスメントを受けた場合は、必要に応じて他社に対して、再発防止に向けた措置の協力を求めるものとする。 |
ワンポイント解説
再発の防止は、非常に重要な事項です。ハラスメントが発生して解決したとしても、またハラスメントが発生するようであれば、根本的に解決されているとは言えません。
ハラスメント相談窓口の責任者が中心となり、社員教育の実施、啓発ポスターの掲示、マニュアルの配布などを通じて、社内全体に再発を防ぐ取り組みを行います。
9.業務体制の整備等、取引先等への対応
(1)業務体制の整備等
| (業務体制の整備等) | |
|---|---|
| 第21条 | 会社は、妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメントの発生の原因や背景となる要因を解消するため、業務体制の整備など、会社や社員の実情に応じ、必要な措置を講ずるものとする。 |
ワンポイント解説
いわゆる”マタハラ等”の対策に関する規定です。
例えば、ある社員が妊娠した場合、通常は産前産後休業、育児休業に入ります。
そうなりますと、別途社員を雇用する余裕がない場合、その社員の業務は、既存のメンバーが引き継ぐことになります。
そのときに、業務を丸投げしたり引き継ぐ業務のボリュームが多いケースですと、引き継ぐ社員は、自分の業務にそのまま業務が加わることになり、疲弊しかねません。
その結果、ハラスメントのような不適切な言動(「この忙しい時に、妊娠しないでよ!」)が出てくるリスクが生じてしまいます。
従って、業務体制の整備(業務配分の適正化、業務内容の見直しなど)を通じて、特定の社員のしわ寄せを最小限にするように工夫し、ハラスメントの発生を防ぐことが重要です。
(2)取引先等への対応
| (取引先等への対応) | |
|---|---|
| 第22条 | 社員は、取引先の労働者、個人事業主、フリーランス、インターンシップを行っている者等に対して、ハラスメントをしないように注意しなければならない。 |
ワンポイント解説
ハラスメントは、自社の社員のみならず、外部の社員等に対しても行ってはならない行為です。
ハラスメントは、通常、力関係が影響します。下請関係で良くみられるように、一般的にお金を支払う発注者が、発注先よりも取引上有利な立場になることが多い面があります。
その時に自社の社員が、有利な立場であることをいいことに、相手先の社員を恫喝したり、異性の社員にボデイタッチなどをすると、当然問題になります(「取引上の優越的な関係」)。
こうしたことがないように、注意する必要があります。
