1日1件以上契約できなければ欠勤扱いとする書面に署名させた会社が、労基法第16条違反の疑いで書類送検された事例を示すアイキャッチ画像
営業で1日1件以上契約できなければ欠勤扱い、顧客情報漏えい時は違約金1000万円とする書面への署名を求める会社の問題を描いた労基法第16条解説漫画
「1日1件以上契約が取れなければ欠勤扱い」「顧客情報漏えい時は違約金1000万円」といった取り決めは、労基法第16条の賠償予定の禁止に抵触する可能性があります。

【概要】

宮崎労基署では営業で契約が1件も取れなかった場合に欠勤扱いしていることで、労基法第16条の賠償予定の禁止違反の疑いで、会社と代表取締役を書類送検しました。具体的には以下の通りです。

1.この会社では、労働者21人に対して、「1日1件以上の契約が取れなかったら、欠勤で扱いで構わない」という書面に署名させていました。いわば、その日の賃金を損害賠償として予定していたことになります。

2.さらに、会社の機密である顧客情報を漏えいさせた場合の違約金を1000万円と定めていたことも判明しました。

【意見・感想・解説】

今回は、労基法の賠償予定の禁止に違反したことで書類送検した事例を取り上げました。

賠償の予定の禁止とは、労基法16条において、 「使用者は、労働契約の不履行において違約金を定め、又は、損害賠償額を予定する契約をしてはならない」としています。こうしたことは、労働者の身分的拘束をするおそれがありますので、その原因となる契約を禁止するものです。

なお、本条は、金額を予定することを禁止するものであり、現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止したものではないとされています。

それにしても、契約を取れなかったら、その日の賃金を支払わないとするのは、ひどいですね。確かに書類送検されても仕方のない事例だと思います。

会社においては、こうした賠償予定の禁止に該当する契約をしないように注意する必要があります。