縫製業経営者が労働基準監督官へ虚偽陳述し送検、外国人技能実習生に月200時間超の違法残業疑い
縫製工場で外国人技能実習生に限度超えの残業と休日出勤を求め、月200時間超の残業メモを監督官が確認する場面
岐阜・関労働基準監督署が、外国人技能実習生への36協定限度超えの時間外労働と、立ち入り調査時の虚偽陳述の疑いで縫製業の会社と代表取締役を書類送検。

【概要】

岐阜・関労働基準監督署は、縫製業の会社と代表取締役を岐阜地検に書類送検しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.外国人技能実習生に対して、時間外・休日に関する労使協定の延長限度を超えて、時間外労働を行わせていた疑いがあります。

2.監督官が立ち入り調査をしたときの尋問で、代表取締役は法違反の事実はないと虚偽の陳述を行いました。その後の強制捜査で、1ヵ月200時間を超える残業を行わせていた等のメモがみつかる等、様々な法違反の証拠がでてきました。

【意見・感想・解説】

今回は、岐阜・関労働基準監督署による書類送検を取り上げました。

労働基準監督官への虚偽陳述であり、1ヵ月200時間の時間外労働となれば、まさに過重労働です。書類送検はやむを得ないところでしょう。

景気の回復は確かに進んでいますが、まだまだ中小企業の中には回復を実感できていないところも多いと思います。こうした状況下では、労働法等を適切に遵守するどころではないと思われる方もいるかもしれません。

しかし、賃金不払い残業の場合、多額の割増賃金遡及払いになり、過労死・過労自殺ともなれば、多額の民事上の損害賠償や企業イメージ失墜のリスクが生じます。

また、少子高齢化で労働力人口の減少が進む中、優秀な人材の確保・定着を図る上では、コンプライアンスが適切である必要があります。すなわち、法違反が当たり前のように行われている会社では、優秀な人材は、居心地が悪く、さっさと他の会社に転職してしまうでしょう。優秀な人材の確保・定着の観点からはマイナスになります。

従って、今回のような虚偽陳述は当然問題ですが、それ以前に法違反が生じないように対応をとっておくことが、経営に悪影響を生じさせないために重要になります。