施設長が長時間大声で叱責しパワハラ認定を受け、減給の懲戒処分となった事例を示すイラスト
職場でつらい状況を相談した職員に対し、担当者が事実確認と適切な処分、再発防止に向けた職場環境改善を説明する漫画イラスト
職員からの相談をきっかけにパワハラが発覚し、事実確認のうえで施設長への処分と職場環境の改善が進められた事例です。

【概要】

ある50代の施設長が、部下の職員3人に対してパワハラを行ったとして、事務組合はこの施設長を、減給の懲戒処分としました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この施設長は、おととし5月から去年8月までの間、施設内の事務所で長時間、部下の職員3人に大声で叱責しました。叱責内容は、次のようなものでした。

「信用をなくしたのはお前のせいだ」
「俺の言っていることが理解できないやつだ」

2.施設の職員から相談があり、発覚しました。

3.施設長は「指導の一環だ」と主張しました。しかし、事務組合が複数の職員に状況を確認した結果、パワハラにあたると認定しました。

【意見・感想・解説】

今回は、施設のパワハラについて取り上げました。ポイントは、以下の4点です。

●おととし5月から去年8月までの長期間に、繰り返されていること
●大声であり、威圧的な叱責であること
●長時間に及んでいること
●その場にいた他の職員たちも、パワハラを認めていること

さすがに、ここまでの状況ですと、パワハラと認定されても不思議ではありません。
今回は、相談して発覚したということから、相談窓口が適切に機能していたといえます。

ただ、おととし5月から去年8月までということで、1年以上の期間にパワハラが及んだことになります。
早い段階で相談があり、迅速に対応することでトラブルが深刻になるのを回避できますので、相談窓口の周知徹底が課題といえます。

4月から、パワハラ防止法における雇用管理上の措置義務が中小企業にも適用されることもあり、こうしたトラブルの未然防止が重要です。
今一度、自社で問題ないか確認してみるとよいでしょう。

ハラスメント対策研修のご案内

パワーハラスメントは、「指導のつもりだった」という認識の違いから発生することが少なくありません。特に管理職は、部下への注意・指導の場面で、言葉の選び方、声の大きさ、叱責の時間、周囲への影響などに十分配慮する必要があります。

また、ハラスメントが発生した場合には、被害を受けた本人だけでなく、周囲の従業員の心理的安全性や職場全体の信頼関係にも大きな影響を及ぼします。相談窓口を設置するだけでなく、従業員が安心して相談できる体制づくりや、管理職が適切な指導方法を学ぶことが重要です。

坂本直紀の研修では、パワーハラスメントをはじめ、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント、カスタマーハラスメントなどについて、実務上の注意点をわかりやすく解説します。管理職が「適切な指導」と「ハラスメントに該当する言動」の違いを理解し、職場でのトラブルを未然に防ぐための内容です。

ハラスメントのない職場づくりを進めるために、ぜひハラスメント対策研修の実施をご検討ください。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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