月190時間の残業と書類送検を示す、過重労働に苦しむ店舗スタッフと大量の書類のイラスト
36協定未提出と月190時間残業の問題を説明する、店舗スタッフと管理者の会議風景
新店オープン直後の人手不足を背景に、36協定未提出や特別条項の限度超過により違法残業が発生した労働基準法違反の事例。

【概要】

愛媛・松山労働基準監督署は、ある飲食・リユース業の会社と店舗運営部長を、労働基準法第32条(労働時間)違反の容疑で松山地検に書類送検しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.平成29年3・4月の2か月間、この会社は36協定を届け出ないまま、正社員11人に1か月最長で137時間の時間外労働をさせていました。同期間は新規開店直後で、36協定が未提出の「空白期間」でした。

2.同年4月~翌年3月の間、別の労働者14人に、違法残業をさせていました。「1か月60時間の特別条項付き36協定」を締結していたものの、限度時間を超え、最長で130時間の残業を行わせていました。つまり、最長の残業時間数は月190時間に上っていたということです。

【意見・感想・解説】

今回は、36協定違反が原因で書類送検された事件を取り上げました。

36協定違反の場合、法違反に該当するため悪質と判断されれば、書類送検のリスクが生じます。今回は190時間ということで、過労死基準を超えた長時間労働のため、こうした厳しい対応もうなずけるものがあります。

さて、今回は、新規開店直後というタイミングで、36協定の適切な対応がなされていないことに注目しました。そもそも、36協定は法人単位ではなく、事業場単位のため、新規出店した店舗が事業場に該当することもあります。この場合、ひとつの店舗で法定時間を超えて労働させるようなことがあれば、労基署への36協定の届出が必須になります。

一般的に、会社の立ち上げ時や新店舗開設時はやるべきことが多く、このような人事労務面にまで管理が行き届かないこともあり得ます。その上で、限度時間等が超過しないように適切に労働時間管理をしていくことが重要です。

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今回のように、36協定の未届出や特別条項の限度時間を超える長時間労働は、労働基準法違反として書類送検に至る重大なリスクがあります。特に、新規開店や繁忙期など、人員体制が十分に整わない時期には、労働時間管理や36協定の運用に「空白」や「見落とし」が生じやすくなります。

企業としては、問題が起きてから対応するだけでなく、日頃から労働時間の実態を把握し、36協定の締結・届出、特別条項の運用、残業時間の上限管理を適切に行うことが重要です。顧問契約では、こうした労務トラブルの予防に加え、万一問題が発生した場合にも、適切かつ迅速な対応をサポートします。

また、長時間労働が常態化すると、従業員の健康リスクや離職リスクが高まり、優秀な人材の確保及び定着にも悪影響を及ぼします。安心して働ける職場環境を整備することは、企業の信頼向上と人材戦略の面でも欠かせません。労働時間管理や労務体制の見直しに不安がある場合は、ぜひ顧問契約をご検討ください。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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