セクハラ認定による懲戒処分の取消訴訟をめぐり、市職員らが会議室で書類を確認しているイラスト
職場の懇親会でのセクハラ認定と減給処分、処分取消訴訟で男性課長が調査不十分や弁明機会の欠如を主張する漫画
職場の懇親会で女性職員へのセクハラ行為があったとして減給処分を受けた男性課長が、事実認定や調査手続を争う場面を描いたイメージ。

【概要】

ある市は、職場の懇親会において、男性課長が女性職員の尻を触るセクハラをしたとして、懲戒処分をしました。これに対し、男性課長は不服を申し立て、懲戒処分の取り消しを求める訴訟を提起しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.市によりますと、職場の懇親会で部下の女性職員がお酒を注ぐ際、男性課長が尻を触った旨を認定しました。それを受け、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分が下されました。

2.男性課長は、酒に酔っていて記憶がないが、女性職員が説明した位置関係では、尻を触ることは困難であると主張しました。また、市による調査が不十分であり、処分前に、弁明の機会などが与えられなかったとしています。

【意見・感想・解説】

今回は、セクハラでトラブルになった事例を取り上げました。

セクハラの事実認定は、難しいものがあります。ただ、懇親会の場ということもあり、双方の言い分が並行線になりましたら、懇親会に参加した他の社員の意見も参考にすることが考えられます。

それでも判断が難しいようであれば、いわゆる冤罪も防がなくてはなりませんので、行為者と疑われている社員に対して、きちんと弁明の機会を与えておくことが必要です。あくまでも行為者と名指しされた人を決めつけることなく、客観的に対応する必要があります。

いずれにしても、ハラスメントを理由に懲戒処分を行う場合は、慎重に対応する必要があります。

ハラスメント対策研修のご案内

職場におけるハラスメントは、当事者同士の問題にとどまらず、組織全体の信頼低下、職場環境の悪化、訴訟リスク、懲戒処分の妥当性をめぐるトラブルなど、さまざまな問題につながります。

特にセクシュアルハラスメントの事案では、事実認定が難しいケースもあります。関係者の言い分が食い違う場合、会社としては一方的に決めつけるのではなく、関係者への丁寧なヒアリング、客観的な状況確認、弁明の機会の付与など、慎重かつ公正な対応が求められます。

また、懇親会や飲み会など、職場外に見える場面であっても、業務上の人間関係を背景とする場合には、ハラスメント問題として扱われる可能性があります。管理職には、日頃からハラスメントを防止する意識と、問題発生時に適切に対応する知識が必要です。

坂本直紀の研修では、セクハラ・パワハラ・マタハラ・カスハラなどの基本知識に加え、ハラスメント発生時の初動対応、事実確認、相談対応、懲戒処分を検討する際の留意点などを、実務に即してわかりやすく解説します。

ハラスメントのない職場づくりを進めるためにも、管理職・従業員向けのハラスメント対策研修をご検討ください。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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