部長クラスの男性幹部が職員に暴言を吐き机を蹴るパワハラ問題を表した職場イラスト
市の部長級幹部が職員に暴言を吐き机を蹴るパワハラ問題と、人事課・調査委員会の対応を描いた漫画
「頭おかしいんちゃうか」「なめてんのか」などの暴言や机を蹴る行為が、市の調査委員会でパワハラと認定された事例

【概要】

ある市の複数の職員(8名)が、部長クラスの男性幹部からパワハラを受けたとし、この幹部を停職1ヵ月の懲戒処分としました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この部長は日常的に、部下たちに、”頭おかしいんちゃうか””なめてんのか”などの暴言を吐いていました。また、机を蹴ることもありました。

2.被害を受けた職員8人は、職場の環境改善を求める文書を人事課に提出しました。しかし人事課長は、文面内容から「パワハラではない」と判断しました。

3.その後、市のハラスメント調査委員会は、男性幹部の言動をパワハラと認定しました。

【意見・感想・解説】

今回は、いわゆるパワハラについて、トラブルになった事例を取り上げました。

パワハラの事実認定につき、当初は人事課でパワハラとは認定しなかったものの、その後、委員会にて認定されるという異例なケースです。パワハラについての事実認定は、確かに難しい面がありますが、8人も被害を訴えていることもあり、もう少し、丁寧かつ客観的に対応すればよかったと思います。

また、事実認定の際は、判断が難しいことも多いため、被害者側は、きちんと証拠保全しておくことが有効です。例えば、悪質なメールやチャットなどは保存し、暴言については録音することが望ましいです。

なお、今回はパワハラが認定されましたが、通常は、行為者と名指しされた方についても、最初から「パワハラをした」と断定するのではなく、客観的に対応する必要があります。いわゆる、冤罪を防ぐ視点も重要になります。こうした点も注意し、冷静に判断する必要があります。

ハラスメント対策研修のご案内

今回の事例のように、日常的な暴言や威圧的な言動、机を蹴るといった行為は、職場環境を悪化させ、職員の心身に大きな負担を与えるおそれがあります。また、被害の訴えがあった際に、初期対応で適切な事実確認や客観的な判断ができなければ、問題の長期化や組織への不信感につながる可能性もあります。

ハラスメント対応では、行為者とされる側・被害を訴える側の双方に配慮しながら、証拠の確認、関係者へのヒアリング、事実認定、再発防止策の検討を冷静に進めることが重要です。特に管理職や人事担当者には、「どのような言動がパワハラに該当し得るのか」「相談を受けたときにどのように対応すべきか」「冤罪防止の観点をどのように踏まえるか」といった実務的な理解が求められます。

坂本直紀の研修では、パワーハラスメントをはじめとする各種ハラスメントの基礎知識に加え、管理職として注意すべき言動、適切な指導との線引き、相談対応時の留意点、職場内コミュニケーションの改善方法などを、具体例を交えながらわかりやすく解説します。ハラスメントのない職場づくりに向けて、管理職・人事担当者の意識と対応力を高める機会として、ぜひハラスメント対策研修をご活用ください。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ

一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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