第三者アセッサーが社員の自己評価を検証し、公平な人事評価を行うアルミ製品製造会社の評価制度
昇級希望者が自己申請と自己評価を提出し、上司面談後に第三者アセッサーが公平性を確認する人事評価制度の漫画
アルミ製品製造会社で導入された、自己申請・上司面談・第三者アセッサーによる検証を経て評価を決定する仕組み。

【概要】

あるアルミ製品製造会社では、社員と上下関係がない第三者のアセッサーが人事評価に加わる制度を導入しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この制度は、評価の公平性を保ち、従業員の納得度を高めることを目的としています。

2.まず、昇級希望者は自己申請をします。そして、上司との面談後、自己評価を第三者のアセッサーが検証することになります。その上で、アセッサーは上位職の会議にかけ、評価を決めることになります。

【意見・感想・解説】

今回は、直接上下関係にないアセッサーによる人事評価制度について、取り上げました。

まずは、昇進希望者が昇進申請するというのが特徴的です。ですので、社員は、まず昇進意欲を示す必要があります。自律性が磨かれます。

そして、第三者のアセッサーが評価を検証することも特徴的です。アセッサーの検証により、より公正かつ客観的な評価につながります。

また、評価する上司もアセッサーの検証が入るとなると、より真剣に取り組むことが期待できます。とても参考になる事例です。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。

会社の成長は、社員一人ひとりの努力と誠実な仕事の積み重ねによって成り立っています。だからこそ当社は、社員の皆様を何よりも大切な存在であると考えています。ただ働く場所を提供するだけではなく、安心して力を発揮できる環境を整え、それぞれが将来に希望を持ちながら働き続けられる会社でありたいと願っています。

その思いから、当社では、上下関係にない第三者アセッサーが評価に関わる仕組みを取り入れ、公平性・客観性・透明性をより高める人事制度づくりを進めています。人事評価は、社員の皆様の努力や成長が正しく認められるものでなければなりません。上司だけの視点に偏ることなく、第三者の立場から確認を行うことで、より納得感のある評価につなげていきたいと考えています。

また、昇級を希望する方が自ら手を挙げて挑戦できる仕組みには、皆様の意欲や主体性を大切にしたいという会社の考えが込められています。社員一人ひとりが、自分の可能性を信じ、前向きに成長を目指せることは、会社にとっても大きな力です。私たちは、その挑戦をしっかり受け止め、応援していきます。

会社は、社員の皆様に長く安心して働いていただきたいと考えています。そのためには、処遇や制度の整備だけでなく、「この会社で働き続けたい」と思える信頼関係を築いていくことが何より大切です。皆様の声に耳を傾け、努力がきちんと報われる職場をつくり、これからも働きがいと安心感のある会社を目指してまいります。

社員の皆様は、会社にとってかけがえのない存在です。これからも共に成長し、共に未来を築いていけることを、心から願っています。

代表取締役社長〇〇〇〇

第三者アセッサー評価制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、昇級に関する評価において、第三者アセッサーを関与させることにより、評価の公平性、客観性および透明性を確保し、従業員の納得度を高めることを目的とする。

(適用範囲)
第2条 本規程は、当社に在籍する従業員のうち、昇級を希望し、所定の手続により申請を行った者に適用する。

(定義)
第3条 本規程において使用する用語の定義は、次のとおりとする。
1.「昇級希望者」とは、上位等級への昇級を希望し、会社に対して自己申請を行った従業員をいう。
2.「第三者アセッサー」とは、昇級希望者と直接の上下関係にない者であって、会社が評価検証のために選任した者をいう。
3.「上位職会議」とは、昇級の可否その他必要事項を審議するために会社が設置する会議をいう。

(制度の基本原則)
第4条 昇級評価は、本人の能力、実績、職務遂行状況および昇級後に期待される役割遂行可能性を総合的に勘案して行うものとする。
2 評価にあたっては、上司の所見のみによらず、第三者アセッサーによる検証を経ることで、公正かつ客観的な判断に努めるものとする。

(昇級の自己申請)
第5条 昇級を希望する従業員は、会社が定める時期および方法により、所定の申請書その他必要書類を提出しなければならない。
2 前項の申請にあたっては、本人が自己の職務実績、能力、今後の目標その他会社が求める事項を記載しなければならない。

(上司との面談)
第6条 昇級希望者の所属上司は、前条の自己申請を受けたときは、当該従業員との面談を実施しなければならない。
2 前項の面談においては、業務実績、職務遂行能力、勤務態度、昇級意欲および昇級後に期待される役割等について確認するものとする。
3 所属上司は、面談結果を所定の様式に記録し、第三者アセッサーに提出するものとする。

(第三者アセッサーによる検証)
第7条 第三者アセッサーは、昇級希望者の自己評価、申請書類、所属上司の面談記録その他必要資料を確認し、その内容を検証するものとする。
2 第三者アセッサーは、必要があると認めるときは、昇級希望者本人または所属上司に対し、追加の説明または資料の提出を求めることができる。
3 第三者アセッサーは、検証結果を意見書として取りまとめ、上位職会議に付議するものとする。

(上位職会議による審議)
第8条 上位職会議は、昇級希望者の自己申請内容、所属上司の意見および第三者アセッサーの検証結果を踏まえ、昇級の可否を審議し決定する。
2 上位職会議は、必要に応じて追加資料の提出を求め、または関係者から説明を求めることができる。

(評価決定の通知)
第9条 会社は、上位職会議による決定後、速やかに昇級希望者に対して結果を通知するものとする。
2 前項の通知にあたっては、必要に応じて評価の概要その他会社が適当と認める事項を説明するものとする。

(社内手続)
第10条 本制度の運用に関する社内手続は、次のとおりとする。
1.昇級希望者は、会社が定める期限までに所定の申請書類を人事担当部門へ提出する。
2.人事担当部門は、申請内容を確認のうえ、所属上司に面談実施を依頼する。
3.所属上司は、所定の期間内に面談を実施し、面談記録を人事担当部門へ提出する。
4.人事担当部門は、申請書類および面談記録を第三者アセッサーへ送付する。
5.第三者アセッサーは、必要資料を確認し、検証結果を意見書として作成する。
6.人事担当部門は、第三者アセッサーの意見書を上位職会議に付議する。
7.上位職会議の決定後、人事担当部門は結果を本人および所属上司へ通知する。
8.前各号に定める書類の保管その他必要事項は、人事担当部門が所管する。

(関係者の責務)
第11条 所属上司、第三者アセッサー、上位職会議の構成員その他本制度の運用に関与する者は、公平かつ誠実にその職務を遂行しなければならない。
2 前項の関係者は、個人情報その他職務上知り得た情報を、正当な理由なく第三者に漏らしてはならない。

(雑則)
第12条 本規程に定めのない事項については、就業規則その他会社の定める規程による。
2 本規程の運用に関し必要な事項は、会社が別に定める。

(附則)
第13条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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