
【概要】
あるIT会社では、つぶやき決済制度を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.つぶやき決済制度は、技術関連書籍の購入、業務時間中のカンファレンスの参加などの決済に関する制度です。
2.X(旧:twitter)の社長アカウントにつぶやけば即検討・即決済されます。
【意見・感想・解説】
今回は、つぶやき決済制度について、取り上げました。珍しい制度ですね。
ただ、社長のアカウントに直接tweetするのは、ためらう社員がでてくるかもしれません。制度運用がうまくいっているか否かは、適宜確認する必要がありますね。
ただ、確かに決裁スピードは速そうです。ですので、緊急性がある場合は、円滑な対応につながる面があります。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心から感謝しています。
私たちは、会社の成長は社員の皆様一人ひとりの挑戦と努力の積み重ねによって成り立っていると考えています。だからこそ会社は、社員の皆様を何より大切な存在として受け止め、安心して働き続けられる環境づくりに力を入れていきたいと思っています。
今回導入している「つぶやき決済制度」も、その思いから生まれたものです。技術書を読みたい、カンファレンスに参加したい、新しい知識を仕事に生かしたい。そうした前向きな意思を、できるだけ早く後押ししたいと考えています。必要な学びや成長の機会を、手間や時間の壁であきらめてほしくありません。
皆様が「学びたい」「挑戦したい」と感じたときに、会社がすぐに応援できる体制を整えることは、働きがいのある職場づくりにつながると信じています。そして、それは単なる制度ではなく、社員の皆様の成長を会社全体で支えていくという意思表示でもあります。
もちろん、制度は作って終わりではありません。利用しやすいか、心理的な負担はないか、現場に合った形で運用できているかを確認しながら、必要に応じて見直しも行ってまいります。社員の皆様が無理なく、安心して利用できることを大切にしていきます。
会社は、社員の皆様に長く安心して働いていただきたいと考えています。ここで働いてよかった、この会社なら自分らしく成長できる、そう思っていただける職場をつくることが私たちの責任です。これからも、社員の皆様を大切にし、その声に耳を傾けながら、より良い環境づくりを進めてまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役社長〇〇〇〇
つぶやき決済制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員による技術関連書籍の購入、業務時間中のカンファレンス参加その他会社が業務上必要と認める支出について、Xを利用した簡易な申請および承認の方法を定め、迅速かつ適正な決裁を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 本規程において「つぶやき決済制度」とは、社員が会社所定の方法により、社長のXアカウント宛てに申請内容を投稿し、これに対して社長が承認の意思表示を行うことにより、決裁を行う制度をいう。
2 本規程において「申請者」とは、本制度を利用して申請を行う社員をいう。
(対象となる費用)
第3条 本制度の対象となる費用は、次の各号に掲げるものとする。
1.技術関連書籍、専門誌、電子書籍その他業務遂行に必要な資料の購入費用
2.業務に関連するカンファレンス、勉強会、セミナーその他これらに準ずる催しへの参加費用
3.前各号のほか、社長が業務上必要と認めた費用
(利用対象者)
第4条 本制度を利用できる者は、会社の社員とする。
2 会社は、必要に応じて利用対象者の範囲を別途定めることができる。
(申請方法)
第5条 申請者は、次の事項を明記のうえ、会社が指定する方法により社長のXアカウント宛てに申請を行うものとする。
1.申請者氏名
2.申請する内容
3.利用目的または業務上の必要性
4.金額または概算額
5.利用予定日または購入予定日
6.その他会社が必要と認める事項
2 申請内容が不明確な場合は、社長または会社が補足説明を求めることがある。
(承認方法)
第6条 社長がX上で承認の意思を表示した場合、当該申請は承認されたものとする。
2 社長が却下または保留の意思を表示した場合、申請者はその指示に従うものとする。
3 承認の基準、承認金額の上限その他制度運用上必要な事項は、会社が別途定めることができる。
(社内手続き)
第7条 申請者は、前条による承認を受けた後、会社所定の経費精算手続き、参加申請手続き、勤怠手続きその他必要な社内手続きを行わなければならない。
2 書籍購入を行った場合は領収書、請求書その他支出を証する書類を提出しなければならない。
3 カンファレンス等に参加した場合は、必要に応じて参加記録、報告書その他会社が求める資料を提出しなければならない。
4 本制度による承認は、社内の会計処理、経費精算処理および勤怠管理上の必要手続きを省略するものではない。
(利用上の注意)
第8条 申請者は、業務上必要な範囲で本制度を利用し、私的な目的で利用してはならない。
2 申請内容に虚偽、不正確な記載または誤解を招く表現があってはならない。
3 申請者は、Xの利用にあたり、会社の情報管理、秘密保持およびコンプライアンスに関する諸規程を遵守しなければならない。
(代替申請)
第9条 社員が社長のXアカウントへの投稿に心理的負担を感じる場合、またはXの利用が困難である場合には、上長、人事担当者その他会社が指定する者を経由して申請することができる。
2 前項の場合においても、会社は本制度の趣旨に沿って迅速な確認および判断に努めるものとする。
(運用の見直し)
第10条 会社は、本制度の利用状況、承認状況、社員の意見その他必要な事情を踏まえ、制度運用の適切性を適宜確認し、必要に応じて見直しを行うものとする。
(主管部門)
第11条 本規程の主管部門は、◯◯部門とし、制度運用に関する事務を所管する。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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今回のように、新しい制度を導入するときは、制度の趣旨を丁寧に伝えることに加え、利用しやすさや運用上の課題にも目を向けることが重要です。特に、社員が心理的な負担なく利用できるか、情報管理や手続き面に問題がないかといった点は、事前に整理しておきたいところです。
顧問契約をご利用いただくことで、こうした人事労務上のトラブルを未然に防ぎ、万が一問題が生じた場合にも、適切かつ迅速に対応しやすくなります。制度設計、社内周知文、規程整備、運用時の相談対応まで継続的に支援することで、会社の実情に合った実務的な対応が可能となります。
また、社員が安心して働ける環境を整え、成長を後押しする制度を適切に運用することは、優秀な人材の確保及び定着にもつながります。働きやすさと納得感のある職場づくりを進めることは、採用面でも定着面でも大きな力になります。
就業規則や各種社内ルールの整備、制度導入時の注意点の整理、日々の労務相談への対応について、継続的なサポートをご希望の場合は、ぜひ顧問契約をご活用ください。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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