集中タイム制度とは
集中タイム制度とは、集中タイム時間中は、ひたすら目の前の業務に集中して、業務を遂行する取り組みのことです。
なお、「集中タイム」という名称ですが、企業ごとに、「がんばるタイム」、「ゴールデンタイム」、「ノートーク」のように、様々な制度名を独自に設けて実施されています。
ここでは、「集中タイム」という名称を用いて説明させていただきます。
禁止事項
集中タイム時間中は、目の前の業務にひたすら集中することになりますので、集中力を阻害する様々な事項について禁止することが、制度の実効性を高める上で、とても重要になります。
禁止事項につきましては、企業毎で異なりますが、例えば、以下の内容が、集中タイム時間中の禁止事項として、取り扱われています。
<禁止事項例>
私語、業務相談、会議、コピー取り、休憩、離席(トイレや珈琲を取りに行くこと等)、電話、メール
集中タイム制度導入の流れ
会社の方針であることの明確化
集中タイム制度を導入するきっかけは、経営者の思いつきである場合が考えられます。
ここで大切なことは、集中タイム制度は、「会社の方針に基づき導入するものであることを、最初に明確にする」ことです。
この理由ですが、集中タイム時間中は、例えば 業務相談や電話等を禁止することになります。
そして、こうした対応が業務に支障が生じてしまうとし、抵抗したり拒否する社員がでる可能性があるからです。
しかし、こうした理由により集中タイム制度についての例外を設けますと、当然、制度は形骸化します。
所管部署の決定
次に、集中タイム制度に関する所管部署を決定します。
基本的には、総務部や人事部が担当するケースが多いと思われます。
所管部署において、集中タイム制度についての詳細なルール(禁止事項、時間帯等)を定めることになります。
なお、集中タイムにお客様などから電話がかかってきた場合は、所轄部署が一元管理して電話を受けるようにします。
制度ルール策定
制度ルールの策定前に、まずは各部署にヒアリングして、事前調整することがとても大切です。
一方的に集中タイム制度を各部署の社員に押し付けたのでは、納得できず、会社に不満を持つ社員も出るかもしれません。
したがって、各部署の責任者等と話し合い、目的を明確にし、できるだけ事前に各部署の理解を得る努力が必要になります。
制度の試験的実施
仮に、集中タイム制度について全社員を対象にする場合は、いきなり全社員に実施するのではなく、特定の部署や社員に限定して、試験的に実施することが有効です。
そして、試験的に実施した結果、例えば、集中タイムの時間の長さや時間帯、禁止事項について問題点を把握できれば、修正して対応することになります。
制度の周知徹底
集中タイム制度の策定が完了しましたら、対象となる部署の社員に周知徹底します。
この場合、周知文書は、当然社長名で行います。
そして、社長自ら、制度の導入は、会社の方針であることを明確に社員に伝えます。
制度の見直し
しばらく集中タイム制度を実施した後、修正点がみつかれば修正します。
修正の必要性については、社員にアンケート等で確認してみるとよいでしょう。
アンケートの内容例は、以下の通りです。
「集中タイム制度を導入したことにより、業務の効率は良くなりましたか」
「集中タイムにより、業務に悪い影響が出ましたか」
「時間帯や長さは適切と考えますか」
このアンケート結果を参考にして、必要に応じて修正して制度のブラッシュアップを図ります。
集中タイム制度規程例
以下は、集中タイム制度の規定例となります。
| 第1条 | 集中タイム制度は、生産性の向上及び長時間労働の削減を通じて、社員のワークライフバランスの実現を図ることを目的とする。 |
<解 説>
まずは、目的を明確にします。ここでは、生産性の向上と長時間労働の削減による、ワークライフバランスの実現を、集中タイム制度の目的としています。
| 第2条 | 集中タイム制度は、原則として全社員に適用するものとする。 |
| 2 | 前項に関わらず、会社が必要と認めた場合、 会社が指定した社員については、本制度の適用外とすることがある。 |
<解 説>
全社員適用を、原則としています。
ただし、職種や業務の関係上、集中タイム制度の適用が困難な社員が出てくることがあります。その様な場合は、適用外もあり得ることを明確にしています。
| 第3条 | 集中タイムの時間帯は、勤務日の午後13時30分から15時00分までとする。 |
<解 説>
集中タイムの時間帯を明確にします。
人の集中力には限界がありますから、時間帯は2時間以内が良いでしょう。
この規定例では、午後の1時間30分としています。
| 第4条 | 集中タイム時間中に社内で勤務する者は、以下の言動を一切禁止するものとする。 (1) 私語 (2) 休憩 (3) 業務打ち合わせ (4) 離席 (5) 電話 (6) メール (7) その他会社が必要と認める事項 |
| 2 | 前項に関わらず、急な来客、病気等のやむを得ない事情がある場合は、前項各号に該当する言動を認めることがある。その場合は、原則として、事前に直属の上司の承認を所定の様式にて受ける必要がある。事前承認が困難な場合については、事後速やかに、直属の上司に所定の様式で報告するものとする。 |
<解 説>
集中タイム時間帯は、業務にひたすら集中して取り組んでもらうことを目的としているため、集中を阻害する言動を禁止することになります。
ただし、現実的には、やむを得ない事情が生じることがあるため、第2項で例外的な取り扱いを定めています。
| 第5条 | 業務命令で、出張や得意先訪問等により外出する社員については、その時間帯が集中タイムの時間帯である場合は、その日については本制度を適用しないものとする。 |
| 2 | 前項に関わらず、集中タイム時間中に社内で勤務することを意図的に外す目的で、外出することは、本制度違反として取り扱うものとする。 |
<解 説>
出張などで社外で勤務する場合は、集中タイム制度の適用外としています。
ただし、集中タイムの適用を回避する目的での外出が横行してしまっては、制度が形骸化するため、第2項でこうしたことは違反であることを明確にしています。
| 第6条 | 社員は、できる限り社外の関係者に集中タイム制度について説明し、理解と協力を得るよう努めるものとする。 |
<解 説>
自社の集中タイム制度につき、取引先が把握していない場合、混乱が生じるリスクがあります。
したがって、できる限り理解と協力を求めるように努めることを規定しています。
| 第7条 | 本制度に違反した社員は厳重注意処分とし、始末書または顛末書を会社に提出するものとする。繰り返し違反する社員については、就業規則第○条に基づき、懲戒処分とする。 |
<解 説>
社内ルール違反ですから、そのまま放置することはできません。
まずは厳重注意とし、それでも改めなければ、懲戒処分とすることとしています。








