
【概要】
ある精密加工装置の製造販売会社では、「コミット手当制度」を導入しています。具体的な特徴は、以下の通りです。
1.この手当は、全社員一律ではなく、各自の判断で受給を決めることができます。
2.「自分の価値を創出できている」「周囲との信頼関係を築いている」と自己評価できる社員が、コミットをし、申請します。その場合、10万円が基本給に加算されます。
3.正社員全員が、コミット・申請の選択が可能です。ただし、価値創出や信頼関係の維持ができていないと会社から判断されれば、退職を約束することを条件としています。
【意見・感想・解説】
今回は、「コミット手当制度」についてご紹介しました。
社員が自己評価に基づいて手当を受給するか否かを決定できる点は、社員の自主性や自己責任を促進する良い仕組みといえます。
そして、周囲との信頼関係を重要視することにもつながります。
ただ、 自己責任とはいえ、退職を約束するという条件は、社員にとってリスクが高く、心理的なプレッシャーを与える可能性があります。
病気になったときなども、気になりますね。
私見では、退職までは約束させなくてもよいと思います。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
このたび導入した「コミット手当制度」は、皆さん一人ひとりの主体性と、周囲との信頼関係を大切にしたいという想いから生まれた仕組みです。
私たちの会社は、社員の皆さんが自らの価値を認識し、それを自信を持って申請できる環境を整えることで、働きがいや誇りを高めたいと考えています。
一方で、この制度には「退職を約束する」という厳しい一面もあります。それは決して皆さんを追い詰めるものではなく、「本気でこの会社と向き合う」という覚悟と信頼の証としての制度設計です。
もちろん、制度を見直しながら、皆さんが安心して長く働ける職場づくりを目指してまいります。私たちは、社員一人ひとりが大切な仲間であり、かけがえのない存在であることに変わりはありません。
これからも共に、前向きに歩んでいきましょう。
代表取締役社長〇〇〇〇
コミット手当制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員の主体的な価値創出と信頼関係の構築を促進し、強い当事者意識を持った行動を支援することを目的として、「コミット手当制度」の運用について定める。
(制度の内容)
第2条 コミット手当制度とは、社員が自らの意思で価値創出および信頼関係の維持にコミットすることを申告し、会社がこれを承認した場合に、月額10万円を基本給に加算して支給する制度である。
(対象者)
第3条 本制度は、正社員全員を対象とし、本人の判断により申請の有無を選択できる。
(申請要件)
第4条 コミット手当の申請にあたっては、次の自己評価基準を満たしていることが必要である。
1.自らの業務を通じて価値を創出していると自認できること
2.チームおよび関係者との間に十分な信頼関係を構築していると自認できること
(承認および条件)
第5条 会社は、申請内容を確認し、必要に応じて面談等により判断したうえで承認する。
(その他)
第6条 本規程に定めのない事項および制度の詳細な運用については、会社が別途定める。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員









