
【概要】
厚生労働省は、現在中小企業以外に適用している1か月60時間を超えた場合の時間外割増率50%以上につき、中小企業にまで適用拡大するかを検討するため、全国で調査的監督をスタートさせました。具体的には以下の通りです。
1.1か月60時間を超えた場合の時間外割増率50%以上につき、中小企業には、現在適用が猶予されています。厚生労働省では、改正労基法が施行してから3年を経過した段階で時間外労働の動向等を勘案した結果に基づき、現在の中小企業への適用猶予につき、必要な措置を講じるとしていたこともあり、今年4月から調査的監督をしています。
2.調査的監督では、1カ月60時間以上の時間外労働の状況と、適用している割増率の実態を把握する方針です。今年夏ごろまでに調査結果をまとめて、労働政策審議会に提出する見通しです。
【意見・感想・解説】
今回は、割増賃金に関する厚生労働省の取り組みについて、取り上げました。
平成22年に改正労基法が施行され、原則として、月に60時間を超える時間外労働については、割増賃金率が5割増となっています。ただ、この適用は、現段階では中小企業では適用が免除となっています。今回は、この免除についての今後の方向性を決めるための調査を行うようです。
さて、私は、この割増賃金率の5割増は、改正当初から反対の考えであり、そして中小企業への適用拡大についても反対です。なぜならば、私は、単に残業時間数の長さだけで、仕事の成果を加味せず、賃金を増やすのはおかしいと感じているからです。
例えば、AさんとBさんがいます。いずれも時給制で時間単価は1,000円とし、1日の所定労働時間が8時間、20日間労働したとします。
Aさんは、非常に業務効率がよく、残業は全くしませんでした。しかも、成績はとてもよく、会社からの評価も高いとします。
一方、Bさんは、効率が悪く、残業は月に10時間発生したとします。しかも、Aさんよりも成績が劣り、会社の評価が低いとします。
この場合、Aさんの月給は、単純に1,000円×8×20=16万円になります。
一方、Bさんは、10時間残業しており、割増率2割5分もありますので、(1,000円×8×20)+(1,000×10×1.25)=17万2,500円となります。
将来的には、昇給や賞与などで差はつくかもしれませんが、瞬間的には、このように効率が悪く、遅くまで残っており、評価が低くても賃金が多くもらえることになります。
これが、さらに、5割増へと拡大するのですから、やはり変だと感じています。
勿論、長時間労働は、健康障害の問題があるので、規制する必要があります。ただ、それを割増賃金率に反映させることは、いかがなものかと思います。
※2023年4月以降は、猶予措置終了により中小企業の割増賃金率も大企業と同様の50%に引き上げられることとなりました。









