2012年に成立した改正労働契約法の概要を解説するイラスト。無期労働契約への転換、雇止め法理の法定化、不合理な労働条件の禁止を表現。
改正労働契約法の3つのポイントを漫画形式で解説する画像。有期契約が5年を超えて更新された場合の無期契約への転換、雇止め法理、不合理な待遇差の禁止を説明。
改正労働契約法では、有期労働契約の無期転換、雇止め法理の法定化、不合理な労働条件の禁止が重要なポイントです。

【概要】

改正労働契約法が8月3日に成立しました。

今回は、この改正労働契約法の概要について解説します。改正法では、有期労働契約を長期にわたり反復更新した場合に無期労働契約に転換させることなどを法定することにより、労働者が安心して働き続けることが可能な社会の実現を図ることとしています。

ポイントは3つです。

1.有期労働契約を期間の定めのない労働契約への転換

有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みを導入するものです。ただ、原則として、6か月以上の空白期間(クーリング期間)があるときは、前の契約期間を通算しないこととされています。

2.有期労働契約の更新等(「雇止め法理」の法定化)

有期労働契約の反復更新により、無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、または、有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的期待が認められる場合には、雇止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、有期労働契約が更新(締結)されたとみなすものです。

3.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止

有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとするものです。

2の「雇止め法理」の法定化については、公布日の平成24年8月10日に施行されました。

残りの内容については、公布日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日とされています。

【意見・感想・解説】

改正労働契約法が成立しました。

「雇止め法理」の法定化については、これまで裁判で判断された内容を法定化したものです。

従って、有期雇用契約の更新について丁寧に対応してきた会社では、大きな影響はないと思われますが、更新について適切な対応をしてこなかった場合は、今後は労働契約法違反として、更新時にトラブルが生じる可能性がありますので、注意が必要です。今一度、更新手続きが形骸化していないか、更新に対する期待権をもたせていないか等、しっかり確認しておくとよいでしょう。

さて、今回の改正労働契約法で最もインパクトがあるのが、有期労働契約を期間の定めのない労働契約への転換です。

有期労働契約の無期労働契約への転換については、施行日以後の日を契約期間の初日とする期間の定めのある労働契約について適用し、施行日前の日が初日である期間の定めのある労働契約の契約期間は、通算契約期間には算入しない、としています。

従って、施行日がいつになるかわかりませんが、5年を超える頃の平成30年春あたりが、色々な影響が出てくると思います。

こうしたことから、有期労働契約についてのあり方について今一度見直してみるとよいでしょう。

※労働契約法の無期転換は、平成25年4月1日に施行されました。