
【概要】
あるPR等を行う会社では、「寝る子は育つ」制度を導入しました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.全社員の日々の睡眠時間を、スマートフォンアプリを利用して計測します。
2.毎月平均7時間以上の睡眠をとった社員に、報奨金3,200円が支給されます。
【意見・感想・解説】
今回は、「寝る子は育つ」制度を紹介しました。面白い制度ですね。
さて、国では、「勤務間インターバル制度」の導入支援に力を入れています。この制度は簡単に言いますと、退勤から次の出勤までの一定の休息時間を指します。
十分な睡眠時間を確保するためには、毎日11時間以上のインターバルが理想的です。11時間以上のインターバルとなれば、7時間の睡眠時間はなんとか確保できそうですね。
ですので、残業対策も必要不可欠になります。長時間労働ともなれば、睡眠時間の確保は難しくなるためです。
今回の「寝る子は育つ」制度は、会社として社員の睡眠時間確保に力を入れるというものです。となると、長時間労働の抑制効果も期待できます。とても参考になる事例です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
当社は、会社の成長を支えている最も大切な存在は、日々懸命に働いてくださっている社員の皆様一人ひとりであると考えています。どれほど優れたサービスや事業であっても、それを支えているのは現場で力を尽くしてくださる皆様の存在です。だからこそ会社は、社員の皆様が心身ともに健康で、安心して長く働ける環境を整えることを重要な責任の一つと考えています。
このたび導入する睡眠時間報奨制度は、単に報奨金を支給するためだけの制度ではありません。十分な睡眠を確保し、健康を守り、毎日をいきいきと過ごしていただくことを会社として後押ししたいという思いから設けるものです。社員の皆様が元気に働き続けられることは、ご本人やご家族にとって大切であるだけでなく、会社にとってもかけがえのない財産です。
睡眠は、仕事の集中力や判断力、心身の安定に深く関わっています。忙しい日々の中では、つい自分の休息を後回しにしてしまうこともあるかもしれません。しかし会社は、無理を重ねる働き方ではなく、しっかり休み、健康を保ちながら力を発揮できる働き方こそが、これからの時代にふさわしいと考えています。
また、この制度の背景には、社員の皆様に少しでも長く、安心して当社で活躍していただきたいという強い願いがあります。会社は、社員の皆様を大切にし、働きやすさとやりがいの両方を感じられる職場づくりを進めてまいります。安心して働ける環境があるからこそ、将来にわたって力を発揮し続けることができ、結果として社員の定着にもつながると考えています。
今後も当社は、長時間労働の抑制や休息時間の確保を含め、社員の皆様の健康と生活を守るための取り組みを積極的に進めてまいります。社員の皆様には、ぜひこの制度を前向きに活用していただき、ご自身の健康管理に役立てていただければと思います。会社はこれからも、社員の皆様を大切にする姿勢を何よりも大事にしながら、共に成長できる企業であり続けたいと考えています。
代表取締役社長〇〇〇〇
睡眠時間報奨制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員の健康保持増進、労働生産性の向上および適正な労働環境の整備を目的として、睡眠時間報奨制度に関する必要な事項を定めるものとする。
(適用対象)
第2条 本規程は、当社に勤務する全社員に適用する。
2.会社が必要と認めた場合は、雇用形態、勤務実態その他の事情を勘案し、対象者の範囲を別に定めることがある。
(制度内容)
第3条 会社は、社員の日々の睡眠時間をスマートフォンアプリにより記録し、その記録に基づいて一定基準を満たした社員に報奨金を支給する。
2.本制度は、社員自らが睡眠時間を意識し、健康管理に努めることを促進することを目的として運用する。
(睡眠時間の計測方法)
第4条 睡眠時間の計測は、会社が指定し、または承認したスマートフォンアプリを用いて行うものとする。
2.社員は、会社が定める方法に従い、毎日の睡眠時間を正確に記録しなければならない。
3.計測に必要な操作、登録その他の手続きは、社員本人が行うものとする。
(報奨金の支給要件)
第5条 毎月1日から末日までの睡眠時間について、月平均7時間以上の睡眠が確認された社員に対し、報奨金3,200円を支給する。
2.前項の月平均睡眠時間は、会社が指定し、または承認したアプリの記録に基づき算定する。
3.会社は、記録内容に不備、不明点または確認を要する事情がある場合、支給の可否を保留し、または追加資料の提出を求めることがある。
(報奨金の支給方法)
第6条 報奨金は、原則として対象月の翌月以降に給与とあわせて支給する。
2.報奨金の支給日その他の細目は、会社が別に定める。
(社員の遵守事項)
第7条 社員は、本制度の利用にあたり、次の事項を遵守しなければならない。
1.睡眠時間を正確に記録すること。
2.虚偽の申告その他不正な方法により報奨金の支給を受けようとしないこと。
3.会社から記録内容の確認を求められた場合は、これに協力すること。
(不正受給への対応)
第8条 社員が虚偽の記録、改ざんその他不正な方法により報奨金の支給を受け、または受けようとした場合、会社は当該報奨金を支給しないものとし、すでに支給した場合は返還を求めることができる。
2.前項の場合において、会社は就業規則その他の社内規程に基づき必要な措置を講ずることがある。
(個人情報等の取扱い)
第9条 会社は、本制度の運用にあたり取得した睡眠時間その他の情報を、制度運用、健康管理施策の検討その他業務上必要な範囲で取り扱うものとする。
2.会社は、取得した情報について、法令および社内規程に従い適切に管理する。
(社内手続き)
第10条 社員が本制度の適用を受けるためには、会社所定の方法により制度利用の申出その他必要な手続きを行わなければならない。
2.会社は、毎月の記録を確認し、支給要件該当者を決定する。
3.社員は、アプリの変更、利用不能、記録漏れその他制度運用に影響する事情が生じた場合、速やかに会社へ届け出なければならない。
4.本制度の開始、変更、停止または終了に関する手続きは、会社が別に定める。
(所管)
第11条 本規程に関する所管部署は、会社が指定する部署とする。
2.本規程の運用に関し必要な事項は、所管部署が別に定める。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
顧問契約サービスのご案内
今回ご紹介したように、社員の健康確保や働きやすい職場づくりを進めるうえでは、制度を導入するだけでなく、自社の実情に合った運用方法やルール整備まで見据えて対応することが重要です。もっとも、健康経営や労務管理に関する施策は、導入時には気づきにくい課題や、実際の運用段階で生じるトラブルが少なくありません。
顧問契約をご利用いただくことで、日常的な人事労務のご相談に対して継続的に助言を受けられるため、トラブルの予防につながるだけでなく、万一問題が発生した場合にも、適切かつ迅速に対応しやすくなります。就業規則や社内ルールの整備、制度導入時の注意点、社員への説明方法などについて、実務に即した支援を受けられることは、会社にとって大きな安心材料となります。
また、社員が安心して働ける職場環境を整備することは、優秀な人材の確保及び定着にも直結します。採用競争が激しくなる中で、働きやすさや健康への配慮を具体的な制度として示せる会社は、求職者や社員からの信頼を得やすくなります。人事労務の課題に継続的に取り組み、時代に合った職場環境を整えていくためにも、顧問契約の活用をぜひご検討ください。
顧問契約の内容
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メール・電話・オンラインなど最適な手段でスピーディーに対応します。 - 就業規則の作成・改定
最新法令を踏まえた規程整備でリスクを軽減します。 - 書式や最新情報のご提供
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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