
【概要】
ある製薬会社の男性社員が自殺を図り、労働基準監督署が「うつ病が原因」と労災認定しました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.この男性は、医薬情報担当者(MR)を経て、医師向けの講演会などの運営担当へ異動しました。その後、うつ病と診断され、休職や復職を繰り返していましたが、2019年12月に都内の自宅で自殺しました。
2.労基署は、男性が経験のない業務に従事し、発症5ヵ月前には約71時間の時間外労働をしたことで強い心理的負荷がかかり、うつ病を発症したと認定しました。
3.男性上司らから「お前なんてクビと言われた」などの叱責メッセージも残っていました。労基署は、パワハラは認定しませんでしたが、上司らから叱責を受けていた事実は認めました。
4.男性の父親は会見で、「ハラスメントをした上司や職場に怒りがある。同じことが起きないよう改革して。」と訴えました。
【意見・感想・解説】
今回は、うつ病で自殺した男性が労災認定された事件を取り上げました。
パワハラについては認定されませんでしたが、「お前なんてクビ」という発言は、明らかに不適切です。
業務も変わり、メンタルヘルス不調が懸念される社員に対しては、決して、このような発言はしてはなりません。
いつもお伝えしていますが、[メンタル不調]→[自殺念慮]→[自殺]というのが、比較的多くみられるパターンであり、今回もまさにこのケースです。
ときには、部下の仕事の手際が悪く、イライラすることもあると思いますが、上司の方は、自分の不適切な発言が与える影響を考え、発言には気をつける必要があります。
⚠ 緊急時は 119(救急)/110(警察)
いのちの電話 0570-783-556(24h)
#いのちSOS 0120-061-338(24h・無料)
よりそいホットライン 0120-279-338(24h・多言語)
ハラスメント対策研修のご案内
本件は、上司からの叱責や長時間労働などが重なり、社員が心身ともに追い詰められた末の労災自殺につながった痛ましい事例です。パワハラとしての認定はされなかったものの、「お前なんてクビ」という発言が心理的負荷を高めたことは明白です。
こうした事態を未然に防ぐためには、管理職をはじめとした全社員が「何がハラスメントに該当するか」「どう接するべきか」を正しく理解し、日々の職場行動に活かしていくことが不可欠です。
坂本直紀の研修では、実際の事例を交えながら、法律や制度だけでなく、現場で実践できる知識と対応力を養うことができます。上司の“何気ないひと言”が、部下にとって致命的な影響を与える可能性があることを理解し、ハラスメントのない健全な職場づくりに取り組みましょう。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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