職種限定で勤務していた社員への同意なき職種変更は違法とした最高裁判決を解説するイラスト
職種限定で18年間勤務した技師への同意なき総務課配転が違法と判断された最高裁判決を解説する漫画
福祉用具の改造技師として勤務していた社員に対し、使用者が総務課への配置転換を命じた事案で、最高裁は職種限定契約では本人の同意なき職種変更はできないと判断しました。

【概要】

仕事を特定の職種に限定して勤務していた社員に対し、使用者が別の職種への配置転換を命じました。これに対し最高裁は、労働者の同意がない配転命令は「違法」とする判断を示しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.原告は福祉施設で、福祉用具などを改造する技師として、約18年間勤務していました。施設側は、総務課に配転する人事異動を内示しました。男性は配転命令は違法だとして、損害賠償などを求めたものです。

2.施設では、福祉用具の改造業務の受注が減り、業務を廃止する方針でした。一方で、総務課は退職による欠員が生じていました。

3.最高裁では、契約上で従事する職種を限った場合は、「使用者は、同意なしに配転を命じる権限を有しない」と判断しました。

【意見・感想・解説】

今回は、職種限定に関する最高裁の判断を取り上げました。「労働者の同意がなければ、配転命令を認めない」としました。

確かに、限定の合意があり勤務しているわけですから、会社が一方的にこうした限定を無視して好きなように異動させることは不適切です。法的な考え方からいけば、妥当な判断と思われます。

さて現在は、多様な正社員制度が注目されています。具体的には、地域限定正社員、職種限定正社員、勤務時間限定正社員です。

こうした正社員は、働き方が限定されているのが特徴です。

今回の最高裁の判断により、「会社として、ただ仕事量が減った」等の理由で、こうした正社員の限定を一方的に会社が解除することはできないことを示唆しています。

今後は、職種を廃止して職種限定を解除する必要性や、勤務地がなくなり地域限定を解除する事態に備えておく必要があると思われます。

具体的には、職種を廃止したり勤務地がなくなった場合は、限定を解除することについて、あらかじめ同意を取得しておく対応が考えられます。

 

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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