本業と副業の労働時間通算ルール見直しにより割増賃金の計算方法を検討する会社員と副業者のイラスト
1日8時間・週40時間を超える労働と36協定、本業と副業の労働時間通算ルール見直しを説明する漫画イラスト
労働基準法の法定労働時間、36協定、割増賃金の基本と、本業・副業の労働時間通算ルール見直しを会話形式で解説するイメージです。

【概要】

厚生労働省は、現在の本業と副業の労働時間を通算して割増賃金を計算する仕組みを見直そうとしています。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.労働基準法では1日8時間、週40時間が法定労働時間とされています。

この枠を超えて働く場合は「36協定」を結び、割増賃金を支払うこととされています。

2.現在の労基法上のルールでは、副業を行っている人は、本業と副業の労働時間を合算して割増賃金を支払う仕組みとされています。

この点について、見直される予定です。

【意見・感想・解説】

今回は、副業に関する割増賃金の見直しのルールについて取り上げました。

労働基準法第38条第1項では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定されています。

そして、この「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含むこととされています(労働基準局長通達(昭和23年5月14日付け基発第 769 号)。

したがって、基本的には、他社で勤務する労働時間についても通算して管理することになります。

この場合の割増賃金の取り扱いですが、以下の例で説明します。

例:
企業A(先契約:所定労働時間1日5時間)
企業B(後契約:所定労働時間1日4時間)

労働時間を通算した結果が9時間(企業A:5時間、企業B:4時間)となります。

その結果、1日の法定労働時間である8時間を1時間超過しています。

そして、法定労働時間を超える部分がある場合は、時間的に後から労働契約を締結した使用者での超過部分が時間外労働となります。

この例では、時間的に後から労働契約をしたのは企業Bです。

したがって、企業Bが法定時間外労働を1時間発生させたこととして取り扱われ、1時間分の割増賃金を支払うことになります。
しかし、企業Bからすると、1日4時間しか勤務させていないのに割増賃金を支払うのは違和感があります。

こうした点が副業を阻害する要因にもなりますので、見直しの方向で検討が進んでいます。今後の動向に注目したいと思います。

 

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坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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