
【概要】
ある大学院の男性教授が研究室内でセクハラをしたとして、3ヵ月の出勤停止処分になりました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.研究に携わっていた女性が研究室内で寝ていました。男性教授はその女性に、身体的接触行為をしました。
2.女性から被害申し立てがあり、学内のハラスメント委員会で調査した結果、セクハラ行為が認定されました。
3.教授は事実関係を認めない主旨の陳述書を、懲戒審査委員会に提出しました。しかし最終的に、懲戒処分が決定しました。
【意見・感想・解説】
今回は、セクハラに関する事件を取り上げました。
被害の申し立てを受け、事実関係を調査したところ、セクハラの事実が認定されました。一般的にセクハラ事案では、被害者を救済することが最重要です。しかし、一方で冤罪を防ぐ必要もあります。
このような研究室内という密室では証拠が揃いにくいため、なかなか事実認定が難しい面があります。ですので、難しい面はありますが、被害発生時には、なるべくスマホの録音やカメラ機能などを利用して、セクハラの内容について証拠保全してもらうことが本来は望ましいといえます。
また、今回のケースでは、行為者とされた教授が、事実関係を認めない陳述書を提出していますので、「弁明の機会を適切に与える」ことが良いと考えます。
いずれにしても、事実認定に基づく処分の決定は、慎重に対応する必要があります。
ハラスメント対策研修のご案内
セクシュアルハラスメントは、被害者の尊厳を深く傷つけるだけでなく、職場や組織全体の信頼を大きく損なう重大な問題です。特に、研究室や個室、相談室など、外部から見えにくい環境では、事実確認が難しくなることもあります。そのため、日頃からハラスメントを発生させない職場づくりと、発生時に適切な調査・対応ができる体制整備が重要です。
管理職や指導的立場にある方は、自分の言動が相手にどのような影響を与えるのかを理解し、優越的な関係性の中で不適切な接触や発言が生じないよう、十分に注意する必要があります。また、相談を受けた際には、被害者保護を最優先にしながら、事実確認、関係者への聴取、弁明の機会の確保など、適正な手続きを踏むことが求められます。
坂本直紀の研修では、セクハラ・パワハラ・マタハラ・カスハラなどの基礎知識だけでなく、実際の事例をもとに、ハラスメントを防止するための具体的な言動、相談対応時の留意点、事実認定や懲戒処分における注意点について、わかりやすく解説します。ハラスメントのない職場づくりを進めるために、ぜひ研修の実施をご検討ください。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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