育休復帰直前に解雇された保育園労働者と雇用主、東京地裁が解雇無効と判断した事例を表すイラスト
育休復帰直前に保育園労働者が解雇され、東京地裁が育休を理由とする不利益取扱いとして解雇無効と判断した裁判イラスト
神奈川県の保育園で働いていた女性労働者が、育休復帰前に解雇された事案で、東京地裁は解雇を無効とする判決を下しました。

【概要】

神奈川県の保育園で働いていた労働者が、育休復帰の約一ヵ月前に解雇され、それを不服として訴えを起こしました。これを受け東京地裁は、解雇を無効とする判決を下しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この女性労働者は、産前休業を取得し出産後、育児休業に入りました。その後、復職の意向と短時間勤務を希望する書類を提出しましたが、雇用主から復職させることはできない旨を伝えられ、解雇されました。

2.裁判では、「解雇は、権利濫用と育児休業の取得を理由とした不利益取扱いに当たる」としました。その上で、保育園を運営する社会福祉法人に、バックペイと解雇がなければ受給できていたはずの育児休業給付相当額に加え、慰謝料30万円の支払いを命じました。

【意見・感想・解説】

今回は、育休終了後に解雇された事件を取り上げました。

まず、育児・介護休業法では、育児休業等の申出・取得等を理由とする解雇、その他不利益な取扱いを禁止しています。この「育児休業等」には、育児休業のほか、短時間勤務も該当します。その上で解雇という不利益な取り扱いをしたのですから、さすがに法違反を指摘されても仕方ありません。

そもそもわが国では、解雇が認められるというのは、かなりハードルが高いのが実状です。今回のように、解雇の背景に社員の育児があるとすれば、合理的な理由を欠いているため、認められない可能性がかなり高いといえます。

育児に関する社内での対応について、今一度、問題ないか確認してみるとよいでしょう。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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