インターンシップ実施企業の留意点を解説する人事労務イメージ|実施体制・経費・安全配慮・労働法令など
インターンシップ実施企業の留意点を話し合う担当者|人材育成・大学連携・安全配慮・ハラスメント対応・法令確認
インターンシップは採用だけでなく人材育成の視点が重要です。大学との連携、実施体制、安全配慮、ハラスメント対応、法令遵守、公正な運用など、企業が押さえておきたいポイントを解説します。

概要

現在、インターンシップについて解説しています。

前回は、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の3省合意を踏まえた「インターンシップ推進の基本的な考え方」「産学協働による4タイプの概要」についてお伝えしましたが、今回は、「3省合意におけるインターンシップを行う上での企業の留意点」についてお伝えしていきます。

それでは、見てまいりましょう。

留意点1:取組みに対する基本認識

当該取組は、社会・地域・産業界等の要請を踏まえ、将来の社会・地域・産業界等を支える人材を産学連携による人材育成の観点から推進するものである。自社の人材確保にとらわれない広い見地からの取組が必要である。

また、こうした観点から、長期的な視野に立って継続的にそれらの取組を受け入れていくことが望ましい。

学生を受け入れる企業等において、こうした趣旨を十分理解して対応することが、今後のそれらの取組の推進において極めて重要である。

留意点2:実施体制の整備

インターンシップを始めとしたキャリア形成支援に係る取組は、企業等の場における学生に対する教育活動である。十分な教育効果をあげるためには、企業等における実施体制の整備が必要である。

また、実際のプログラムの目的・方法を明確化するとともに、大学等と連携しながら効果的なプログラムを開発することが重要である。

その際には、双方の負担軽減の観点から、大学との協定書や覚書等の書類については可能な限り簡略化を図るべきである。

留意点3:経費に関する問題

取組に関しては、これに要する経費負担や学生に対する報酬支給の扱いなど経費に関する問題がある。現状においては、こうした経費の扱いに関しては多様な例が見られる。

実施の形態には様々なものがあるため、基本的には、個別に大学等と企業等が協議して決定することが適切であると考えられる。

留意点4:安全、災害補償の確保、ハラスメントへの対応

実施中の学生の事故等への対応については、大学等、企業等の双方において十分に留意する必要がある。現場における安全の確保やハラスメントへの対応に関しては、企業等において責任をもった対応が必要である。

また、万一の災害補償の確保に関しても、大学等と事前に十分協議し、責任範囲を明確にした上で、それぞれの責任範囲における補償の確保を図ることが重要である。

留意点5:労働関係法令の適用

取組の実施にあたり、受け入れる企業等と学生の間に使用従属関係等があると認められる場合など、労働関係法令が適用される場合もある。

その場合には、企業等において労働関係法令が遵守される必要がある。

留意点6:適切な運用のためのルールづくり

取組により、企業等と大学等や学生との結び付きが強くなり、採用の早期化、指定校制などにつながるといった懸念も指摘されている。

このため、その実施に当たっては、学生の受入れの公正性、透明性を確保するための適切な運用のためのルールづくりが必要である。

留意点7:タイプ3のインターンシップの実施時期

タイプ3のインターンシップについては、大学等の正課及び大学院博士課程を除き、卒業・修了前年度ないし卒業・修了年度の長期休暇期間中に実施するものである。学生の学修時間の確保に十分な配慮が必要である。

【産学協議会の定義によるインターンシップ4つの類型】

・タイプ1: オープン・カンパニー
・タイプ2: キャリア教育
・タイプ3: 汎用型能力・専門活用型インターンシップ
・タイプ4: 高度専門型インターンシップ(※現在は試行段階のものが多い)

タイプ3は、「汎用型能力・専門活用型」つまり、職場における実務体験タイプを指します。
本業である学業に支障が出ないように、企業側が配慮することが求められます。

意見・感想・解説

インターンシップは、単なる採用活動ではなく、学生のキャリア形成を支援する教育的な取組として実施することが重要です。

特に企業側には、安全・ハラスメント対策、労働関係法令の遵守、公正な運用など、受入れ体制を適切に整えることが求められます。タイプ3については、学生の学業に支障を生じさせないよう、実施時期にも十分配慮する必要があります。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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