平成23年度に中小企業庁が下請代金支払遅延等防止法に基づき、親事業者への立ち入り調査や7億円返還指導を行ったことを示すイラスト
中小企業庁が平成23年度に下請法違反の疑いがある1319社へ立ち入り調査を行い、1190社への改善指導や305社への7億円返還指導を示す漫画イラスト
平成23年度の下請法取締りでは、違反の疑いがある1319社に立ち入り調査を実施し、1190社に改善指導、305社に総額7億円の返還指導が行われました。

【概要】

中小企業庁では、下請代金支払遅延等防止法の遵守による平成23年度の取り締まり状況をまとめました。具体的には以下のとおりです。

1.親事業者4万5千社などへの書面の調査の結果、法違反の疑いのある1319社に立ち入り調査を実施しました。その結果、1190社で下請代金の減額などが進み、書面で改善指導をしました。

2.代金の減額、支払い遅延を行った事業者305社に対しては、遅延利息を合わせて総額7億円の返還を指導しました。

3.立ち入り調査で発覚した違反件数は、3091件に上ります。このうち発注書面の不備、未交付や書類の未保存などの手続き違反が2067件と目立っていました。

【意見・感想・解説】

今回は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)に関する取り締まりについて取り上げました。

親事業者と下請事業者との間では、取引上の力関係が通常、親事業者が有利になりますので、下請事業者を保護する観点から下請法が設けられています。特に、下請代金に関する問題は、下請事業者にとって死活問題ですので、このように取り締まりが強化されています。

そして、今回は中小企業庁の改善指導ですが、この下請法については公正取引委員会でもチェックをしています。違反が見つかれば、厳しく指導されることになります。

ただ、まだまだ景気の回復感が乏しく、工場の海外の移転も進む中、下請事業者にとって、厳しい状況が続いています。こうした中、何とか受注を優先するために、無理な取引を許容することも考えられます。確かに下請法の遵守は重要ですが、下請事業者にとって、取引が成立し、代金が入金されることが大事です。

親事業者に厳しく圧力をかけることが本当に良いことなのか、それによって、親事業者は取引を終了させて安い人件費の海外調達ということにならないか、非常に悩ましい問題です。