
【概要】
厚生労働省では先日、「令和元年度の過労死等の労災補償状況」を公表しました。この中で、精神障害の労災請求は2,000件を超え、過去最多となりました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.請求件数は2,060件で、前年度比240件の増加でした。
2.支給決定件数は509件で、前年度比44件の増加でした。
3.出来事別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」の回答が79件と最も多く、次いで「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が68件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が55件でした。
【意見・感想・解説】
今回は、精神障害の労災認定について取り上げました。
まず、請求件数が2,000件を超過し、「過去最多」であることが大きな特徴です。精神障害の労災認定においては、心理的負荷評価表が公開されており、「強」と判断される具体例も記載されていますので、労働者としては、労災請求が行いやすくなった側面があると思われます。
一方、支給決定件数の509件も過去最多を更新しました。支給決定が為されたということは、いわば”労災”として認定されたことを意味しますので、こうした点も注目されます。
そして、支給決定件数においては、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が最も多い点も、併せて注目されます。これは、パワハラについての労災が多いことを示唆しています。
認定基準の改正で、このたび新しく「パワーハラスメント」という出来事が、追加されました。今後は、この「パワーハラスメント」という出来事での労災請求、労災認定が増えてくるのではないかと思われます。
パワハラによる精神障害の労災を防ぐ上では、まずは、パワハラが執拗に行われる前に、相談窓口等が迅速に対応し、解決を図ることが重要になります。









