ECサイト運営代行会社の部門経費支援制度により、東京・札幌・仙台・名古屋・大阪の各拠点で社員交流や昇進祝い、歓迎会を行う様子
ECサイト運営代行会社が東京・札幌・仙台・名古屋・大阪の5拠点で使える部門経費支援制度を説明し、社員が歓迎会や昇進祝いで交流を深める漫画イラスト
東京、札幌、仙台、名古屋、大阪の各拠点で社員同士の交流を深めるために導入された「部門経費支援制度」の活用イメージ。

【概要】

あるECサイトの運営代行サービス会社は、「部門経費支援」という制度を設けました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この会社では、東京、札幌、仙台、名古屋、大阪の5拠点を構えています。そこで、各拠点内で全社員のコミュニケーションを図るため「部門経費支援制度」を設けました。

2.この制度は、年間予算の上限はあるものの、部門内の交流促進目的であれば自由に使えます。

3.この制度を利用して、昇進祝い、歓迎会などが開催されています。

【意見・感想・解説】

今回は、「部門経費支援制度」を取り上げました。やはり、職場内コミュニケーションは大切ですね。

そこで、職場内コミュニケーションを促進するために、会社が支援を行うことは、とても意義があります。実際に、昇進祝い、歓迎会の開催につながっています。

若い社員の中には、こうした懇親会には参加をためらう方も多いと思います。

ただ、懇親会を通じて、上司との心理的な距離も縮まる面があるのも事実です。ですので、会社の「部門経費支援制度」を活用して、職場内コミュニケーションを円滑化することにより、相互理解を図ることが有効です。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

いつもそれぞれの拠点、そしてそれぞれの持ち場で、日々の業務に真摯に取り組んでいただき、心より感謝申し上げます。

当社では「部門経費支援制度」を設けています。この制度には、部門内の交流を深め、日頃なかなか言葉を交わす機会の少ない仲間同士が、自然な形でつながれる環境をつくりたいという願いを込めています。歓迎会や昇進祝いなどの場を通じて、お互いのことをより深く知り、安心して相談し合える関係が育まれていくことを、会社として大切にしたいと考えています。

仕事を続けていくうえで、業務そのもののやりがいはもちろん大切ですが、「この会社には支え合える仲間がいる」「自分のことを気にかけてくれる人がいる」と感じられることも、同じように大切です。職場でのコミュニケーションが円滑になることで、日々の連携が取りやすくなり、不安や悩みも一人で抱え込まずに済むようになります。そうした積み重ねが、働きやすさや安心感につながり、長く活躍していただける職場づくりに結びつくと、私は信じています。

もちろん、交流の場への参加は一人ひとりの考え方や事情を尊重し、無理のないことが大前提です。そのうえで、会社としては、社員同士のつながりを育む機会を少しでも増やし、誰もが安心して働き続けられる環境を整えていきたいと考えています。

社員の皆様の毎日の努力に、改めて深く感謝するとともに、これからも共に成長し、より良い会社をつくっていけることを心より願っています。

代表取締役社長〇〇〇〇

部門経費支援制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、社員間のコミュニケーションの促進、職場内の相互理解の向上および円滑な業務運営に資することを目的として、部門経費支援制度に関し必要な事項を定めるものとする。

(適用範囲)
第2条 本規程は、当社の各拠点および各部門に所属する社員に適用する。
2 本規程における拠点とは、東京、札幌、仙台、名古屋、大阪その他会社が認める事業所をいう。
3 会社は、事業運営上必要があると認めるときは、対象拠点を追加し、または変更することができる。

(制度の内容)
第3条 会社は、各部門に対し、部門内の交流促進を目的とする費用について、予算の範囲内で部門経費支援を行う。
2 本制度に基づく支援は、年間予算の上限内で運用するものとし、具体的な予算額は会社が別に定める。
3 本制度は、部門ごとの自主的な企画および運営を尊重し、その目的に適合する範囲で活用することができる。

(利用目的)
第4条 部門経費支援制度は、次の各号の目的のために利用することができる。
1.部門内の社員の交流促進
2.歓迎会、昇進祝いその他これらに準ずる行事の実施
3.部門内の連携強化および職場環境の向上
4.前各号に準ずるもので、会社が適当と認めるもの

(利用条件)
第5条 本制度の利用にあたっては、部門内の複数名が参加する交流の場であることを要する。
2 利用目的が私的な飲食、個人的利益の供与その他本制度の趣旨に反すると認められる場合は、支援の対象としない。
3 参加は任意とし、会社および部門責任者は、社員に対し参加を強制してはならない。
4 本制度の利用に際しては、ハラスメント防止、安全配慮および健全な職場秩序の維持に十分配慮しなければならない。

(対象経費)
第6条 本制度の対象となる経費は、交流促進を目的として通常必要と認められる費用とする。
2 前項の経費には、会場費、飲食費その他会社が相当と認める費用を含むものとする。
3 次の各号に掲げる費用は、原則として対象外とする。
1.個人的な贈答品購入費用
2.部門全体の交流促進と認められない費用
3.法令または公序良俗に反する支出
4.その他会社が不適当と認める費用

(申請手続)
第7条 本制度を利用しようとする部門は、原則として実施前に、所定の申請書その他会社が指定する方法により申請し、所属長または会社の承認を受けなければならない。
2 申請にあたっては、次の事項を明らかにしなければならない。
1.実施日時
2.実施場所
3.実施目的
4.参加予定者数
5.予定費用
6.その他会社が必要と認める事項

(精算手続)
第8条 本制度を利用した部門は、実施後速やかに、領収書その他支出を証する書類を添付のうえ、所定の方法により精算を行わなければならない。
2 会社は、提出書類の内容を確認し、本規程に適合すると認めた場合に限り、当該費用を負担する。
3 会社は、提出書類に不備がある場合または本規程に適合しない支出がある場合には、全部または一部について支援を行わないことがある。

(部門責任者の役割)
第9条 部門責任者は、本制度の適正な運用に努め、利用目的、参加状況および費用内容が本規程に適合するよう管理しなければならない。
2 部門責任者は、社員が安心して参加できる環境づくりに努め、参加の有無によって不利益な取扱いが生じないよう配慮しなければならない。

(禁止事項)
第10条 本制度の利用にあたり、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
1.虚偽の申請または精算を行うこと
2.私的目的のために制度を利用すること
3.参加を強制し、または参加しない者に不利益を与えること
4.ハラスメント、迷惑行為その他職場秩序を害する行為を行うこと
5.その他会社が不適切と認める行為

(制度の見直し)
第11条 会社は、制度の運用状況、利用実績その他必要に応じて、本制度の内容を見直すことができる。

(所管)
第12条 本規程の所管は、総務部または会社が指定する部署とする。
2 本規程の運用に関し必要な事項は、所管部署が別に定める。

(附則)
第13条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

顧問契約サービスのご案内

部門経費支援制度のように、社員同士の交流を後押しし、職場内コミュニケーションを円滑にする取組みは、働きやすい職場づくりにおいて非常に重要です。一方で、制度を導入・運用する際には、参加の任意性への配慮、ハラスメント防止、安全配慮、費用負担のルール整備など、実務上注意すべき点も少なくありません。

こうした場面で、顧問契約をご利用いただくことで、就業規則や社内規程の整備、制度設計、運用時の注意点の整理まで、実情に応じて継続的にサポートを受けることができます。人事労務のトラブルは、発生してから対応するよりも、あらかじめ予防しておくことが大切です。また、万一問題が生じた場合にも、事後に適切かつ迅速な対応を図ることが、企業経営の安定につながります。

さらに、社員が安心して働ける環境を整え、納得感のある制度運用を行うことは、優秀な人材の確保及び定着にも直結します。採用が難しい時代だからこそ、職場環境の整備と人事労務管理の充実は、企業の大きな強みになります。

制度づくりから日々の労務相談まで、継続的に相談できる体制を整えたいとお考えの際は、ぜひ顧問契約をご活用ください。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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