未経験職への異動、月76時間の時間外労働、上司の叱責が重なり、製鉄会社の元社員の自殺が労災認定された事例を解説するアイキャッチ画像
未経験の大型発電設備修繕を担当した製鉄会社の元社員が、月76時間の時間外労働や上司の叱責などを背景にうつ病を発症し、自殺が労災認定された事例を説明する漫画画像
経験のない大型発電設備の修繕業務、月76時間の時間外労働、上司とのトラブルが重なり、元社員の自殺が労災と認定された事例を解説しています。

【概要】

ある製鉄会社の元社員(当時28歳)が自殺したことについて、半田労働基準監督署が労災と認定しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この自殺した社員は、経験のない大型発電設備の修繕担当になりました。その結果、業務量が増え、時間外労働が月76時間に上り、前月より51時間増えました。

2.上司とのトラブルもあり、「何を考えているのか!」などの叱責を受けました。

3.この社員は、社員寮の駐車場に倒れているところを発見されました。9階の自室から転落したとみられ、病院で死亡が確認されました。自室に遺書がありました。労基署によると、この社員はこうした複合的な要因で、うつ病を発症したとしました。

【意見・感想・解説】

今回は、経験のない不慣れな業務の担当になったことに加え、上司からの叱責により自殺し、労災認定された事案を取り上げました。

新たな業務を遂行する中で長時間労働となってしまい、上司から𠮟責を受けていました。その結果、メンタルヘルス不調となり、自殺をしてしまったという痛ましい事件です。

メンタル不調の兆候が既に見られたと思いますので、会社としては、適切に配慮しておくべきでした。猛省して、再発防止にしっかり取り組んでほしいと思います。

メンタル不調による自殺は、このように労災認定を受けることがあります。精神障害の労災認定においては、複数の出来事が関連して生じた場合には、その全体を一つの出来事として評価されます。

今回は、具体的な出来事の中で、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」、「上司とのトラブルがあった」という複合的要因を評価されたのではないかと思われます。注意する必要があります。

⚠ 緊急時は 119(救急)/110(警察)
いのちの電話 0570-783-556(24h)
#いのちSOS 0120-061-338(24h・無料)
よりそいホットライン 0120-279-338(24h・多言語)

ハラスメント対策研修のご案内

今回の事例では、経験のない業務への配置、急激な業務負担の増加、上司による強い叱責が重なり、深刻な結果につながりました。こうした問題は、パワーハラスメント防止だけでなく、長時間労働対策、メンタルヘルス不調の早期発見、適切な指導方法の見直しを一体で進めることが重要です。

坂本直紀の研修では、ハラスメントに該当する言動の理解にとどまらず、管理職がどのように部下へ適切に指導すべきか、業務負荷の偏りや不調のサインにどう気づき、どう対応すべきかまで、実務に即してわかりやすく解説しています。ハラスメントのない職場づくりと、安心して働ける環境整備のために、ぜひ研修をご活用ください。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら
坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら
坂本直紀の書籍執筆実績はこちら
坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら
坂本直紀のメディア取材実績はこちら