
【概要】
あるマーケティングDX支援サービス会社では、「山ごもり休暇」制度を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.年に一度、年末年始・お盆休みとは別に、連続9日間の休暇で年に1度の取得を義務付けています。
2.その間は本人に、会社との連絡を一切禁じています。
3.休暇を終えた後は必ず、毎週月曜日の朝会でどんな休暇を過ごしたのか発表します。
【意見・感想・解説】
今回は、「山ごもり休暇制度」を取り上げました。
年末年始・お盆休みとは別に9日間休むということですから、とても思い切った休暇制度ですね。
イメージとしては、土日が休日とすると、月曜から金曜日までの1週間をまるまる休んで、長期休暇を取る感じです。しっかり、リフレッシュできますね。
さらに、休日明けの月曜日に報告をするというのは、良い取り組みです。
こうした報告義務を求めているとなると、おそらく法定の年次有給休暇とは別に特別休暇として取り扱っているのでしょう。
こうなりますと、さすがにダラダラ過ごすわけはいかず、計画的な休暇取得となります。
コロナの行動制限もなくなりつつあるので、海外旅行などもいいですね。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
当社は、社員一人ひとりの人生と健康、そして日々の努力を何よりも大切に考えています。会社の成長は、皆様の力があってこそ成り立つものであり、皆様が安心して働き続けられる環境を整えることは、会社としての大切な責任です。
このたび導入する「山ごもり休暇」制度は、そうした思いを形にしたものです。年に一度、9日間の連続休暇を確保し、仕事から完全に離れて心と体をしっかり休めていただきたいと考えています。忙しい毎日の中では、知らず知らずのうちに疲れが積み重なってしまうものです。だからこそ、会社として意識的に休む機会をつくり、皆様が自分自身を整え、リフレッシュできる時間を持てるようにしたいと考えました。
休暇中は会社との連絡を一切行わず、業務から離れて過ごしていただきます。自然の中でゆっくり過ごすことも、旅行に出かけることも、家族との時間を大切にすることも、それぞれにとって大切な過ごし方です。自分らしい時間を持つことで、新しい気づきや前向きな気持ちが生まれ、今後の仕事や人生にも良い影響をもたらしてくれるはずです。
また、休暇後に朝会で体験を共有していただくことには、大きな意味があります。一人ひとりの過ごし方や感じたことを共有することで、お互いの価値観や人となりをより深く知ることができ、職場のあたたかい信頼関係づくりにもつながります。社員同士が理解し合い、支え合える組織であることは、働きやすさや安心感を高め、長く働きたいと思える会社づくりに欠かせないものです。
当社は、社員の皆様に「この会社で働き続けてよかった」と感じていただける職場を目指しています。働くときはしっかり働き、休むときはしっかり休む。そのメリハリを大切にしながら、これからも社員の皆様を大切にする制度や環境づくりに取り組んでまいります。
皆様が心身ともに健やかに、安心して長く活躍できること。それが会社にとって何よりの願いです。今後も、社員を大切にする姿勢を変えることなく、皆様とともにより良い会社をつくっていきたいと考えています。
代表取締役社長〇〇〇〇
山ごもり休暇制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員に対し、年に一度の連続した特別休暇を付与し、心身の回復、視野の拡大および業務意欲の向上を図るとともに、その体験共有を通じて社内コミュニケーションの活性化を図るために必要な事項を定めるものとする。
(適用対象)
第2条 本規程は、当社の社員に適用する。
2.適用対象者の詳細、取得単位その他必要な事項は、会社が別途定めるものとする。
(山ごもり休暇の内容)
第3条 山ごもり休暇とは、年末年始休暇およびお盆休暇とは別に付与する、年1回の連続9日間の休暇をいう。
2.社員は、毎年1回、会社の定める期間内に当該休暇を取得しなければならない。
3.当該休暇は、社員が業務から完全に離れ、心身の回復および自己研鑽に充てることを目的として取得するものとする。
(取得時期および手続き)
第4条 社員が山ごもり休暇を取得する場合は、あらかじめ会社の定める手続きに従い、所属長へ申請し、会社の承認を得なければならない。
2.会社は、業務運営上の事情を勘案しつつ、社員が円滑に休暇を取得できるよう、取得時期の調整を行うものとする。
3.社員は、休暇取得前に、担当業務の引継ぎその他必要な準備を完了しなければならない。
(休暇中の連絡禁止)
第5条 山ごもり休暇期間中は、社員本人に対し、会社、上司、同僚その他業務関係者から業務上の連絡を行わないものとする。
2.社員本人も、休暇期間中は業務への従事、業務連絡への対応その他これに類する行為を行ってはならない。
3.ただし、災害、事故その他やむを得ない事情がある場合で、会社が必要と認めたときは、この限りでない。
(休暇中の過ごし方)
第6条 社員は、山ごもり休暇の趣旨を踏まえ、自然の中での滞在、旅行、静養、自己啓発その他心身のリフレッシュに資する方法により休暇を過ごすよう努めるものとする。
2.会社は、休暇の具体的な過ごし方を強制するものではないが、本制度の目的に反する利用が認められる場合は、必要に応じて指導を行うことがある。
(復帰後の報告)
第7条 社員は、山ごもり休暇終了後、最初に到来する月曜日の朝会において、休暇中の過ごし方、得られた気づきその他会社が必要と認める事項について報告しなければならない。
2.前項の報告は、社員相互の理解促進および組織活性化に資するよう、簡潔かつ適切に行うものとする。
(所属長等の責務)
第8条 所属長は、対象社員が円滑に山ごもり休暇を取得できるよう、業務配分、引継ぎ支援その他必要な措置を講ずるものとする。
2.所属長は、休暇中における連絡禁止の趣旨を十分に理解し、所属部門内へ周知徹底しなければならない。
(制度運用)
第9条 本規程に定めのない事項その他制度運用上必要な事項は、会社が別に定める。
2.会社は、制度の運用状況、社員の利用状況および業務上の必要性を踏まえ、本制度の内容を見直すことがある。
(附則)
第10条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
顧問契約サービスのご案内
今回ご紹介した「山ごもり休暇制度」のように、社員の心身のリフレッシュや働きやすい職場づくりにつながる制度は、企業の魅力を高めるうえで非常に有効です。一方で、新たな休暇制度や特別休暇の導入にあたっては、制度設計や運用ルールを曖昧にしたまま進めてしまうと、社内での不公平感やトラブルを招くおそれがあります。
顧問契約をご利用いただくことで、こうした人事労務上のトラブルの予防はもちろん、万が一問題が生じた場合にも、事後に適切かつ迅速な対応を行うことが可能になります。就業規則や社内規程の整備、制度導入時の実務対応、従業員への周知方法まで、貴社の実情に応じて具体的にサポートいたします。
また、近年は優秀な人材の確保及び定着の観点からも、福利厚生や休暇制度の充実がますます重要になっています。「社員を大切にする会社」であることを制度として明確に示すことは、採用活動における強みとなるだけでなく、既存社員のエンゲージメント向上や離職防止にもつながります。
人事労務の課題は、日々の運用の積み重ねによって大きな差が生まれます。制度を作って終わりではなく、実際に機能する仕組みとして定着させるためにも、ぜひ顧問契約の活用をご検討ください。
顧問契約の内容
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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