
【概要】
あるWebシステム開発会社では、「ドロンパ」という制度を設けています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.ドロンパとは、いわゆる公認サボり制度です。
2.月に6時間まで、仕事の都合のつく範囲で、自由に仕事を離れてリフレッシュできるものです。「ドロンパします!」と宣言すればいつでも休憩ができます。
3.活用例は、以下の通りです。
〇お昼ご飯を食べて眠い、仕事にならん!
〇お昼は外にご飯を食べにいきたいからお昼と繋げて使おう
【意見・感想・解説】
今回は、ドロンパという制度を取り上げました。
私の世代ですと、「ドロンパ」は藤子不二雄の漫画『オバケのQ太郎』に出てくるアメリカのお化けをイメージします(笑)。
意味的には、「ドロンする=さぼる」ということでしょうか。わかりやすい制度名ですね。
確かにパソコンの前で集中する仕事については、仮に所定労働時間が8時間である場合、8時間ずっと集中するのはなかなか難しいです。それよりも、ちょっとした気分転換をした後、業務遂行を再開するほうが、かえって生産性が上がるようにも思えます。私でしたら、平日の午後に床屋にいってきます。ヘッドスパもつけるかもしれません(笑)
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心より感謝しています。
私たちの会社にとって、最も大切な存在は社員の皆様です。会社の成長は、制度や仕組みだけで実現するものではありません。毎日現場で努力を重ね、悩みながらも前に進み、仲間と支え合ってくださる一人ひとりの力があってこそ、会社は成り立っています。
だからこそ会社は、社員の皆様に「ただ働いてもらう」のではなく、「安心して長く働き続けられる環境」を整えることが大切だと考えています。仕事に集中することはもちろん重要ですが、ずっと張り詰めた状態を続ければ、心にも体にも負担がかかってしまいます。ときには少し職場を離れ、気持ちを整え、自分を立て直す時間も必要です。
そのような考えから、当社ではリフレッシュのための制度を設けています。少し疲れたとき、眠気を感じたとき、気分を切り替えたいときに、遠慮なく活用してほしいと思っています。短い休息や気分転換は、決して後ろ向きなものではありません。心と頭を整え、また前向きに仕事へ向かうための大切な時間です。
会社は、社員の皆様が無理を重ねることではなく、健やかに力を発揮し続けてくださることを望んでいます。そして、ここで働いてよかった、この会社でこれからも働きたいと思える職場をつくることこそ、会社の責任だと考えています。
これからも、社員一人ひとりの声に耳を傾け、働きやすさと安心感のある職場づくりを進めてまいります。皆様が心身ともに健やかに、そして自分らしく働き続けられる会社であるために、会社はこれからも社員の皆様を大切にしていきます。
どうか無理をしすぎず、必要なときには上手にリフレッシュしながら、これからも一緒により良い会社をつくっていきましょう。
代表取締役社長〇〇〇〇
ドロンパ制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員が業務の都合に応じて一時的に職場を離れ、心身のリフレッシュを図ることにより、業務効率の向上および創造的な発想の促進を目的として実施するドロンパ制度について定める。
(定義)
第2条 ドロンパ制度とは、社員が月6時間を上限として、業務に支障のない範囲で職場を離れ、私的な休息、気分転換その他リフレッシュのための時間として利用できる制度をいう。
2 ドロンパ制度は、会社が公認する短時間のリフレッシュ制度であり、欠勤、遅刻、早退または年次有給休暇とは区別して取り扱う。
(適用対象者)
第3条 本規程は、会社に在籍する社員に適用する。
2 前項の規定にかかわらず、試用期間中の者、業務の性質上本制度の利用が困難な者その他会社が個別に指定する者については、適用対象外とすることがある。
(利用時間)
第4条 社員は、1か月につき合計6時間を上限として、ドロンパ制度を利用することができる。
2 利用時間は、1回あたりの長さを問わず、実際に業務を離れた時間により算定する。
3 当月に利用しなかった時間は、翌月以降に繰り越すことはできない。
(利用条件)
第5条 社員は、業務の進捗状況、取引先対応、会議予定その他の業務上の事情を踏まえ、所属部署の業務に支障が生じない範囲で本制度を利用しなければならない。
2 会社は、繁忙期、緊急対応時その他業務運営上やむを得ない事情がある場合には、利用の時期変更または利用の見合わせを求めることがある。
(利用方法)
第6条 社員がドロンパ制度を利用するときは、利用開始前に上司または会社の定める連絡手段により「ドロンパします」と申し出るものとする。
2 前項の申出にあたっては、必要に応じて利用予定時間、連絡先および業務引継ぎの状況を明らかにしなければならない。
3 社員は、利用終了後、速やかに業務へ復帰し、必要に応じて上司へ復帰報告を行うものとする。
(利用目的の範囲)
第7条 ドロンパ制度は、社員のリフレッシュを目的とする範囲で利用するものとし、主な活用例は次のとおりとする。
1.昼食後に眠気を感じた場合の気分転換
2.昼休みとつなげた外出によるリフレッシュ
3.散歩、喫茶、軽い運動その他短時間での心身の回復に資する行為
2 前項の規定にかかわらず、会社は、本制度の趣旨に反する利用を認めない。
(禁止事項)
第8条 社員は、ドロンパ制度の利用にあたり、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
1.業務命令、会議、接客その他遂行すべき業務を放置したまま無断で離席または外出すること
2.虚偽の申告その他不適切な方法により利用すること
3.会社の信用を害し、または職場秩序を乱す行為を行うこと
4.法令、公序良俗または会社の他の規程に違反する行為を行うこと
(賃金の取扱い)
第9条 ドロンパ制度の利用時間は、会社が特に別段の定めをしない限り、所定の範囲内において就業上の特別休憩として取り扱う。
2 賃金の取扱いその他必要な事項は、賃金規程その他会社の定めるところによる。
(社内手続き)
第10条 会社は、ドロンパ制度の適正な運用を図るため、利用実績の記録、確認その他必要な手続きを定めるものとする。
2 社員は、会社から利用状況の報告、記録の提出または運用上必要な協力を求められたときは、これに応じなければならない。
3 所属長は、利用実績を把握し、特定の社員への偏り、業務への影響その他運用上の課題が認められる場合には、必要な指導または調整を行うものとする。
(制度の見直し)
第11条 会社は、制度の利用状況、業務への影響、社員の意見その他を踏まえ、必要に応じて本制度の内容を見直すことができる。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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