
【概要】
一昨年、ある自動車会社で働いていた男性社員が自殺し、労働基準監督署が「上司のパワハラが原因」として、今年9月に労災認定していたことが、判りました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.労災認定された社員は、車両設計を担う部署で働いていましたが、直属の上司から繰り返し叱責されていました。
2.「バカ」「アホ」「死んだほうがいい」などの暴言を受け、不調に陥りその結果、適応障害と診断されました。
3.約3ヵ月間休職した後に、職場に復帰しました。この上司とは別グループで仕事をするようになったものの、斜め向かいの席で顔を合わせる環境でした。
4.男性社員は、周囲の人たちに「死にたい」と漏らすようになり、社員寮で自殺を図りました。
【意見・感想・解説】
今回は、パワハラで自殺し、労災認定された事案を取り上げました。
いわゆる、[パワハラ]→[メンタルヘルス不調]→[自殺]という最悪の流れに陥ったケースです。このように最悪の場合、パワハラの言動には自殺のリスクを伴います。
今回のポイントは、復職後の座席が、「暴言を吐く上司の近く」という職場環境だったということです。
メンタルヘルス不調から復職する場合は、慣れ親しんだ業務を遂行する方が一般的にはベターなため、原職場への復帰が基本です。しかし、メンタルヘルス不調の背景にパワハラがあるとなれば、話は別です。チームが別とはいえ、パワハラをした上司の近くに戻れば、当然、メンタルヘルス不調が再発するリスクがあります。
今回のように症状が悪化し、最悪の事態に陥る可能性もでてきますので、注意が必要です。
⚠ 緊急時は 119(救急)/110(警察)
いのちの電話 0570-783-556(24h)
#いのちSOS 0120-061-338(24h・無料)
よりそいホットライン 0120-279-338(24h・多言語)
ハラスメント対策研修のご案内
パワハラは、被害者の心身に深刻な影響を与えるだけでなく、最悪の場合、命に関わる重大な問題につながることがあります。企業としては、「叱責のつもりだった」「指導の一環だった」では済まされないリスクがあることを、管理職を含めた職場全体で正しく理解しておく必要があります。
特に、メンタルヘルス不調の背景にハラスメントがある場合には、復職時の配置、座席、上司との接触機会などにも十分な配慮が求められます。形式的に部署やグループを分けるだけでは、被害者の心理的負担が軽減されないこともあります。
坂本直紀の研修では、パワーハラスメントの基礎知識だけでなく、管理職が日常の指導場面で注意すべき言動、メンタルヘルス不調を防ぐための職場対応、相談を受けた際の留意点などを具体的に解説します。
ハラスメントを未然に防ぎ、安心して働ける職場をつくるためにも、管理職向けのハラスメント対策研修の実施をおすすめします。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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