
【概要】
あるIT企業では、「毎週水曜日は自由時間扱い」としています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.毎週水曜日を“業務以外に使っても良い日”という取組みをしています。
2.8時間分働いたとみなし、その時間を使った自己研鑽を促します。たとえば、エンジニア職が最新技術を学び合う自主勉強会を開催したりしています。
3.一方で、水曜日に開く会議の数は、減少しています。社内アンケートでは、「業務の質が上がった」とする声が4割に上っています。
【意見・感想・解説】
今回は、「毎週水曜日は自由時間扱い」とする制度を取り上げました。とても興味深い制度です。
名著「七つの習慣」では、緊急度・重要度のマトリックスが紹介されています。
通常、業務上で優先されるのは、緊急度大・重要度大の業務です。しかしながら、緊急度大の業務ばかり対応していると、疲弊してしまいます。
そこで、同書では、「緊急度小、重要度大」に関することに一定の時間をかけて対応することの大切さを説明しています。
例えば、「ChatGPT」などのAIがその一例だと思います。さほど緊急性はありませんが、今しっかり勉強して身につけておかなければ、いずれ、取り残されてしまいます。したがって、ChatGPTなどAIツールの習得は、「緊急度小、重要度大」ともいえます。
この会社は、毎週水曜日が自由時間扱いとなりますので、こうした「緊急度小、重要度大」を実施するのに適しています。今回紹介した勉強会でのスキルアップも、その一つといえます。
とても参考になる事例です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも業務に尽力していただき、誠にありがとうございます。
このたび導入した「水曜日自由活用制度」は、皆さん一人ひとりの成長を後押しするための取り組みです。
日々の業務の中では、どうしても目の前のタスクに追われがちです。しかし、未来の自分をつくるためには、立ち止まり、考え、学ぶ時間が必要です。
水曜日という時間を、自己研鑽やスキルアップ、仲間との学び合いに使っていただけることを、会社は心から期待しています。
会社は、社員こそが最大の財産であると考えています。だからこそ、皆さんが自らの意志で学び、成長する機会を大切にしたいのです。
皆さんの前向きな姿勢が、やがてチームを、そして会社全体をより強く、柔軟な組織へと導いてくれると信じています。
これからも、共に未来を創っていきましょう。
代表取締役社長〇〇〇〇
水曜日自由活用制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員の自己成長の機会を確保し、業務の質および職場の生産性向上を目的として、毎週水曜日を業務以外の活動に充てることを可能とする「水曜日自由活用制度」について定める。
(定義)
第2条 本規程における「自由活用時間」とは、業務に従事せず、自己研鑽やスキルアップ等の目的に自主的に使用することができる時間をいう。
(適用日)
第3条 本制度の適用日は、原則として毎週水曜日とする。会社の判断により変更する場合がある。
(自由活用時間の扱い)
第4条 自由活用時間については、勤務時間として8時間分を勤務したものとみなす。
2.自由活用時間の使用目的は、次のいずれかとする。
(1) 自主的な勉強会やセミナーへの参加
(2) 資格取得や技術習得のための学習
(3) 業務改善や生産性向上に資する研究・検討
(4) その他、会社が認めた活動
(水曜日の会議制限)
第5条 自由活用制度の趣旨を尊重し、水曜日における会議の開催は極力控えるものとする。
2.やむを得ず会議等を実施する場合は、必要性を十分に検討し、事前に所属長の承認を得ることとする。
(社員の責務)
第6条 社員は、自由活用時間を有意義に活用し、自己成長および職場全体の業務改善に寄与するよう努めなければならない。
(制度の見直し)
第7条 会社は、制度の運用状況や社員の意見等を踏まえ、必要に応じて本制度の見直しを行う。
(社内手続)
第8条 自由活用時間を利用するにあたっては、所属長への事前申請を基本とし、実施内容について報告書を提出することとする。
2.報告書の様式および提出期限については、別途会社が定める。
(附則)
第9条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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