令和7年度の個別労働紛争解決制度で、いじめ・嫌がらせ相談が55,614件となり14年連続最多を示す職場トラブルのイラスト
令和7年度の個別労働紛争解決制度について、総合労働相談119万8,010件、いじめ・嫌がらせ相談55,614件などを解説する漫画
総合労働相談は119万8,010件に達し、「いじめ・嫌がらせ」は55,614件で14年連続最多となりました。助言・指導では「労働条件の引き下げ」、あっせんでは「解雇」が最多です。

概要

厚生労働省は、「令和7年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。

具体的には、次の内容が特徴的です。

1.総合労働相談件数は119万8,010件で、18年連続で100万件を超え、高止まり傾向にあります。

2.民事上の個別労働関係紛争の相談では、「いじめ・嫌がらせ」が55,614件(前年度比1.1%増)で、14年連続最多でした。

なお、改正労働施策総合推進法に規定する職場におけるパワーハラスメントに関する相談は、同法に基づき対応されるため、「民事上の個別労働紛争のいじめ・嫌がらせ」の相談件数には計上されていません。

3.「いじめ・嫌がらせの相談事例」は、次のとおりです。

特定の同僚から怒鳴られたり、無視をされたりするようになった社員が、その同僚と日常的に関わらない業務にしてほしいと、上司や事業主に相談しました。

その結果、「小さな会社なので、対応は難しい」と言われ、申出を却下されました。申出をした社員は、話し合いを通じた解決を図りたいとして、助言・指導を申し出ました。

4.助言・指導の申出では、「労働条件の引き下げ」が1,220件(前年度比10.6%増)で最多となりました。あっせんの申請では、「解雇」が892件(前年度比12.6%増)で最多でした。

意見・感想・解説

今回は、「令和7年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」を取り上げました。

総合労働相談件数は18年連続で100万件を超えており、職場における労使トラブルが、依然として高い水準にあることが分かります。

また、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が14年連続で最多となっている点も注目されます。

今回紹介された事例では、従業員が同僚から怒鳴られたり、無視されたりしていました。

労働施策総合推進法上のパワーハラスメントに該当するには、「優越的な関係を背景とした言動」であることが要件となります。

そのため、同僚間に業務上の立場や知識・経験などによる優越的な関係がない場合には、同法上のパワーハラスメントには該当しない可能性があります。今回は、そのケースと考えられます。

ただし、同僚間の行為であっても、「いじめ・嫌がらせ」によって職場環境を悪化させているのであれば、会社として適切に対応する必要があります。

今回、事業主は「小さな会社なので、対応は難しい」と回答しています。

確かに、小規模な会社では配置転換が難しく、対応方法が限られる場合もあります。しかし、会社の規模を理由に相談を放置することは適切ではありません。

まずは双方から事情を聴き、事実関係を確認したうえで、必要に応じて注意や指導を行う必要があります。業務分担や座席配置の見直しなど、会社の実情に応じて可能な対応を検討することが重要です。

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(8)怒りの感情コントロール
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(15)まとめ

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研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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