
【概要】
ある人材派遣会社では、最終利益の半分を半期ごとに社員全員に分配しています。具体的には以下の通りです。
1.この会社では、2年前から、毎月の損益計算書を全社員に公開しています。その結果、社員は、自社の売上高から固定費などの費用、利益まで細かく把握できるようになりました。
2.最終利益の半分を半期ごとに社員全員に分配し、平成25年3月期は社員10人に計400万円程度を支給しました。
3.将来的には、財務基盤を安定させるため内部留保が必要になるので、分配割合を3分の1に下げる予定です。
【意見・感想・解説】
今回は、社員に損益計算書を公開して、利益の半分を社員に分配する取り組みについて、取り上げました。とても、素晴らしい制度です。
まず、月次の損益計算書を公開することは、社員に損益計算書の内容の理解につながりますので、とても効果的です。そして、利益を分配することになるわけですから、どうすれば、利益を大きくできるか考えるようになります。
利益を増やすには、基本的に収入を増やすか、費用を減らすかになります。収入の柱は、売上高です。従って、売上を上げることへのモチベーションが高まります。
一方、費用を減らすには、例えば、無駄な経費の削減があげられます。不要な事務用品の発注防止や光熱費の削減等につながります。
こうした意識の高まりが、結果的に利益の拡大につながります。従って、損益計算書の公開は、とてもよいことだと考えています。
ただ、課題としては、同時にキャッシュフローも理解する必要があるということです。例えば、売上高が増加すれば、確かに損益計算上はプラスになりますが、その売上のほとんどが売掛金となっており、もし回収期間が長すぎたり、回収できなければ、現金すなわちキャッシュはなくなってしまい、最悪の場合は黒字倒産というリスクも生じます。
従って、損益計算書以外にもキャッシュフローや貸借対照表についても社員に理解してもらうことがよいでしょう。









