バス会社が運転者に長期間休日を与えず、労働基準監督署に書類送検された過重労働問題を表すイラスト
バス運転者が56日間連続勤務し、労働基準監督官が休日なし勤務や長時間労働について是正勧告後の書類送検を説明する漫画イラスト
兵庫・神戸西労働基準監督署が、バス運転者に約2か月間休日を与えず、36協定の限度時間を超える残業をさせたとして、バス会社と代表取締役らを書類送検した事例。

【概要】

兵庫・神戸西労働基準監督署は、バスの運転者に約2か月間休日を与えなかったとして、バス会社と代表取締役ら3人を神戸地検に書類送検しました。具体的には以下の通りです。

1.路線バスを運行する社員に対して、平成24年4月26日から6月20日までの間、56日間にわたり連続で就労させていました。

2.また、別の社員に対しては、平成24年3月1日から6月30日までの間に、36協定の限度時間を超えて、最低約110時間、最高約122時間の時間外労働を行わせていた等の疑いがもたれています。

3.この会社では、運転者不足を解消できない状況でした。

4.この会社については、平成23年7月に最初の立ち入り調査が行われ、是正勧告を実施しましたが、その後も引き続き相談があり、平成24年5月に再度是正勧告しました。こうした中、同年9月に、運転者の同僚が刑事告発したこともあり、送検に踏み切ったものです。

【意見・感想・解説】

今回は、休日を与えないことで、書類送検されたケースを取り上げました。今回は、さらに長時間労働も加わっていることから、書類送検は納得いくところです。

さて、今回のポイントは、是正勧告の後も、問題が解決せず、再度是正勧告を受けていることです。

私は、よくお話しするのですが、企業が100%労働関係諸法令をクリアすることがベターですが、現実的には困難な面があります。従って、大切なことは、問題が発覚した場合は、それが大きなトラブルになる前に、問題がわかったと前向きに捉えて、将来にわたって、同様の問題を繰り返さないことになります。

今回は、是正勧告後も、同様の問題に基づき、再度是正勧告を受けているわけですから、確かに運転者不足を解消できないという事情があったにしても、やはり不適切です。

このように書類送検されれば、社名ものってしまい、コンプライアンスが重視されている中、間違いなく企業経営に悪い影響が及びます。このようなことがないように、注意する必要があります。