
【概要】
東京都労働委員会は、「ウーバーイーツ」の運営会社などに対し、配達員らの労働組合と団体交渉に応じるよう命じました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.配達員らの労働組合「ウーバーイーツユニオン」は、ウーバーイーツ事業を運営する日本法人に対し、配達中の事故の際の補償などについて団体交渉を申し入れました。
それを受け、法人側は、「労働組合法上の労働者でない」と団交を拒否しました。そのため、労働組合が東京都労働委員会に救済を申し立てていました。
2.東京都労働委員会の判断は、以下の通りです。
「本件では、プラットフォームを利用して業務を遂行する配達パートナーの労働者性が争点となっている。
ウーバーは、配達パートナーに対し、プラットフォームを提供するだけにとどまらず、配達業務の遂行に様々な形で関与している実態がある。
そして、①事業組織への組入れ、②契約内容の一方的・定型的決定、③報酬の労務対価性が認められ、④業務の依頼に応ずべき関係、⑤一定の時間的場所的拘束は認められないものの、広い意味での指揮監督下の労務提供が認められ、⑥顕著な事業者性は認められないから、これらの事情を総合的に勘案すれば、本件配達パートナーは、労組法上の労働者に当たる。」
【意見・感想・解説】
今回は、ウーバー配達員について、労働組合法における「労働者性」を判断にしたケースを取り上げました。
東京都労働委員会は、ウーバー配達員は「労働組合法上の労働者である」とし、組合との団体交渉に応じる必要があるとしました。
労働者をめぐる定義は、労働基準法によるものと労働組合法によるものがありますが、これまでの裁判例の傾向をみますと、使用者側にとって、労働組合法による労働者は比較的厳しく判断される傾向にあります。今回も、事業組織への組入れ、契約内容の一方的・定型的決定、報酬の労務対価性が認められ、顕著な事業者性は認められないことから、労働組合法上の労働者と判断しました。
「ウーバーイーツ」の運営会社は、おそらく承服せず、中央労働委員会に再審査申立て等を行うと思われます。今後の動向に注目したいと思います。
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坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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