
【概要】
ある市立幼稚園の教諭の女性が、「園長からパワハラを受けた」として、損害賠償を求めました。その結果、判決では、「パワハラに該当しない」としました。しかしながらその一方で、”女性が提出した日記を、調査のために市側が園長に見せたのは、プライバシー侵害に当たる”として、市に33万円の支払いを命じました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.女性は、園長から仕事について何度も指導を受けていました。その後、うつ病との診断を受けて休職しました。
2.裁判長は、園長の言動は「業務上の指導の範囲内」とし、パワハラには当たらないと判断しました。
3.女性から提出された日記を市側がコピーし、園長に渡して見解を書き込ませました。この部分につき、「調査目的であっても、プライバシー管理について、原告の期待を裏切る行為で違法」と指摘しました。
【意見・感想・解説】
今回は、パワハラでのトラブルについて取り上げました。
パワハラについて、相談窓口に相談があると、通常は事実確認のため調査を行います。その際に、被害者ヒアリング、行為者ヒアリングを行い、状況を確認することになります。
ここで注意しておかなければならないのは、「被害者への配慮」です。仮に、調査目的で、被害者の所有物を行為者にみせる場合は、必ず、被害者の同意を得ておく必要があります。
同意が得られなかったら、当然、見せてはいけません。
今回は被害者の日記ということでしたが、こうした対応が不十分であったと思われます。
ハラスメント対策研修のご案内
パワーハラスメントに関する相談が発生した場合、事実確認や関係者へのヒアリングを適切に行うことが重要です。特に、被害を訴える方への配慮、プライバシーの保護、提出資料の取扱いには細心の注意が求められます。
ハラスメント対応では、「ハラスメントに該当するかどうか」の判断だけでなく、相談受付後の調査方法、情報管理、行為者への確認の進め方など、実務上の対応力が問われます。対応を誤ると、ハラスメントそのものとは別に、プライバシー侵害や二次被害の問題が生じるおそれもあります。
坂本直紀の研修では、管理職が押さえておくべきハラスメントの基礎知識に加え、相談対応、事実確認、適切な指導とハラスメントの違い、被害者への配慮、職場内コミュニケーションのポイントについて、実務に即してわかりやすく解説します。
職場のトラブルを未然に防ぎ、相談があった際にも適切に対応できる体制づくりのために、ハラスメント対策研修の実施をご検討ください。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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