パワハラ・セクハラ被害を申告した男性社員が、コンプライアンス対応後に畑違いの部署へ異動させられる様子を描いたアイキャッチ画像
飲み会の二次会で男性社員がハラスメント被害を受け、その後コンプライアンス申告をしたにもかかわらず別部署へ異動を命じられるイラスト
上司に連れられた飲み会でのセクハラ被害と、申告後に不利益な部署異動を受けたとされる労働問題

【概要】

ある情報・通信大手企業で勤務していた男性が、上司からハラスメント行為を受けたことを理由として、東京地裁に提訴しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.飲み会の二次会で、女性上司に連れられ、男性はゲイバーを訪れました。そこで初めて店長に顔を舐めまわされ、下着の中に手を入れられ触られ続けました。他の同僚も同様の行為をされていましたが、女性上司(40代)は止めるどころか、爆笑していたとのことです。

2.前職の音楽業界に人脈があった男性社員は、部長から私用を依頼されたのち、パワハラを受けたと訴えています。

3.男性は、コンプライアンス委員会にパワハラ、セクハラ被害を申告しましたが、逆に「コンプライアンス違反」と認定され、全く畑違いの部署に異動させられました。結局この男性は、適応障害などの症状が生じ、休職ののち退職しました。

【意見・感想・解説】

今回は、ハラスメントに関するトラブルを取り上げました。

ここでは、セクハラ行為が行われた、飲み会の二次会に注目したいと思います。お酒が入ると、雰囲気の盛り上がりも手伝って、理性が失われ、正常な判断ができないこともあります。

普通、ゲイバーでの行き過ぎた行動で困惑している同僚や部下がいたら、上役の立場の人間は、「このままではまずい」と感じ、助けるものです。上司みずからその光景を見て爆笑していたということですので、正常に判断ができていなかったと思います。

そもそもセクハラは、被害者になるのは、一般的には女性と考えがちになりますが、男性もなり得ます。今回は、まさに典型的な事例です。二次会においても、上司が関わるハラスメントということで、「職務の延長線上」と考えられ、会社の使用者責任が認められる可能性もあります。その後、適切に対応することなく、被害者を一方的に異動させたことも問題です。

ハラスメントが深刻な場合、行為者と被害者を引き離す対応は考えられますが、被害者の意向を考慮せず、一方的に対応したことは問題があったといえるでしょう。注意が必要です。

ハラスメント対策研修のご案内

今回の事例のように、ハラスメントは職場内だけでなく、飲み会や二次会などの場面でも発生することがあります。特に、上司や管理職がその場にいる場合、たとえ勤務時間外であっても「職務の延長線上」と判断され、会社の責任が問われる可能性があります。

また、セクシュアルハラスメントは女性だけが被害者になるものではありません。男性が被害を受けるケースもあり、性別にかかわらず、相手が不快に感じる性的な言動はハラスメントに該当する可能性があります。

さらに、被害申告後の会社対応も重要です。相談者の意向を十分に確認せず、一方的な配置転換や不利益な取扱いを行うと、二次被害や新たなトラブルにつながります。管理職には、ハラスメントを未然に防ぐ意識だけでなく、相談を受けた際の適切な対応力も求められます。

坂本直紀の研修では、セクハラ・パワハラ・マタハラ・カスハラなどの基礎知識に加え、管理職として注意すべき言動、相談対応の留意点、適切な指導とハラスメントの線引きについて、具体例を交えながらわかりやすく解説します。

ハラスメントのない職場づくりを進めるためには、管理職一人ひとりが正しい知識を持ち、現場で適切に行動できることが重要です。ぜひハラスメント対策研修をご活用ください。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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