
就業規則解説-カスハラ(14)
「カスハラ防止の原則 7.行為者にならないように注意する」
今回は、カスハラ防止の原則のひとつである「行為者にならないように注意する」について解説します。
取引先やお客様対応の場面で、感情的になり不適切な言動をしてしまうケースがあります。
しかし、その行為は個人だけの問題にとどまらず、会社全体へ影響が及ぶ可能性がある点に留意が必要です。
企業に及ぶリスク:使用者責任(民法715条)
民法第715条では、次のように定められています。
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
つまり、社員が取引先の担当者にカスハラを行った場合、その行為は「事業の執行中の行為」と見なされ、
会社(使用者)に損害賠償責任が及ぶ可能性があります。
このため、企業は法的リスクを常に意識しなければなりません。
管理職が押さえるべきマネジメントの視点
管理職は、部下の言動を含めたマネジメント責任を負っています。以下の点が重要です。
- 取引先など立場の弱い相手に対し、不合理な要求をしない・させない。
- 取引先社員であっても、自社社員同様に配慮をもった対応を心がける。
- 「自社以外の社員に対してもハラスメントをしてはならない」という姿勢を明確に示し、部内に周知する。
今回の解説をもって、カスハラに関するシリーズは一区切りとなります。
今後も組織全体での防止策を意識して取り組んでいきましょう。
ハラスメント対策研修のご案内
今回ご紹介した「カスハラ防止の原則 - 行為者にならないように注意する」は、企業としてのリスク管理の重要性を再認識させる内容でした。特に、民法第715条に基づく使用者責任や、管理職のマネジメント責任に触れる視点は、現場での実務に直結するものです。
こうしたリスクを未然に防ぎ、社員一人ひとりが安心して働ける環境を整えるためには、実践的なハラスメント対策研修が不可欠です。
坂本直紀の研修では、法的知識だけでなく、職場での具体的な事例を交えながら、管理職・従業員それぞれの立場で必要な知識と行動を身につけていただけます。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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