私立高校の教頭が共学化計画などで月130時間超の残業を行い、適応障害を発症して自殺した労災認定・和解事案を表すイラスト
私立高校の教頭が共学化準備で月130時間超の残業となり、労災認定後に学校法人が労務管理責任を認めて和解した事案を描いた漫画
共学化準備などで長時間労働となった私立高校の教頭が適応障害を発症し、自殺。労災認定を受け、学校法人が労務管理責任を認めて謝罪し和解しました。

【概要】

ある私立高校の教頭が自殺を図りました。遺族が、この高校を運営する学校法人に訴訟を起こし、約1億2,000万円の損害賠償を求めましたが、和解が成立しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.自殺した教頭は、「学校の共学化」などの計画を担当し、その結果、長時間労働となっていました。

2.この教頭は適応障害を発症し、自殺直前の月残業時間は130時間を超えていました。

3.労働基準監督署は、労災を認定しました。

4.学校側が、労務管理の責任を認めて謝罪。解決金も支払われる内容で、和解が成立しています。

【意見・感想・解説】

今回は、過労による自殺を取り上げました。

自殺直前1ヵ月の時間外労働が130時間という長時間に加え、新たに責任を伴う仕事を任せられていたという負担を考慮すると、労災認定されても不思議ではありません。そうなれば、今回のように使用者側に責任があるとし、民事的な損害賠償責任を、裁判で求めることはありえます。

最終的には、双方の和解で決着したとのことです。

まず、基本的に、月100時間を超える時間外労働は、リスクが高いといえます。そもそも、1ヵ月に100時間以上の時間外労働は、36協定でも認められていません。こうした法的対応に問題があるとともに、社員が自殺し、労災も認定されていた中でのトラブルですから、争ったら、まず、使用者(学校)側に勝ち目はないでしょう。

したがって、社員が長時間外労働とならないように、使用者側は適切に労働時間管理を行う必要があります。そして、問題が生じそうな社員がいる場合は、早めに「アラート」を出すとよいでしょう。

長時間労働は、さまざまな問題を引き起こす原因となるため、日頃から取り組む必要があります。

⚠ 緊急時は 119(救急)/110(警察)
いのちの電話 0570-783-556(24h)
#いのちSOS 0120-061-338(24h・無料)
よりそいホットライン 0120-279-338(24h・多言語)

顧問契約サービスのご案内

今回のような長時間労働やメンタルヘルス不調をめぐる問題は、いったん発生すると、労災認定、損害賠償請求、社会的信用の低下など、企業・法人に大きな影響を及ぼします。

特に、月100時間を超えるような時間外労働や、責任の重い業務を特定の社員に集中させる状態は、重大なトラブルにつながるリスクがあります。そのため、日頃から労働時間の把握、業務負荷の確認、早期のアラート体制づくりを行い、トラブルを予防することが重要です。

また、万が一問題が発生した場合には、初動対応を誤らず、適切かつ迅速に対応することが求められます。労務管理上のリスクを放置せず、専門家に相談しながら対応することで、被害の拡大や紛争化を防ぎやすくなります。

坂本直紀 社会保険労務士法人の顧問契約サービスでは、労働時間管理、メンタルヘルス対応、就業規則の整備、労務トラブルの予防・対応について、実務に即したアドバイスを行っています。適切な労務管理は、トラブル防止だけでなく、優秀な人材の確保及び定着にもつながります。

安心して働ける職場環境を整え、組織の成長を支えるためにも、ぜひ顧問契約をご活用ください。

顧問契約の内容

  • 定期対面による、親身な対応
    貴社の人事労務の課題を深く理解し、現場目線で実践的な提案を行います。
  • ご相談に対する、迅速な回答
    メール・電話・オンラインなど最適な手段でスピーディーに対応します。
  • 就業規則の作成・改定
    最新法令を踏まえた規程整備でリスクを軽減します。
  • 書式や最新情報のご提供
    実務でそのまま使えるフォーマットと最新トレンドを随時共有します。

代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら

坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら

坂本直紀の書籍執筆実績はこちら

坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら

坂本直紀のメディア取材実績はこちら