兵庫県の洋菓子店で働くパティシエが月342時間の時間外・休日労働により精神疾患を発症し、未払い残業代や慰謝料を求めて提訴した問題を表すアイキャッチ画像
兵庫県の洋菓子店で働く男性パティシエが、月342時間の時間外・休日労働や未払い残業代に苦しみ、長時間労働によるそううつ病の診断後に会社を提訴する流れを描いた漫画画像
人気洋菓子店に勤務していた男性社員が、長時間労働と未払い残業代により精神疾患を発症。是正勧告後も改善されなかったとして、運営会社を相手に神戸地裁へ提訴しました。

【概要】

兵庫県のある人気洋菓子店に勤務する男性社員が、月342時間に及ぶ時間外・休日労働で精神疾患を発症しました。その後、運営会社を相手取り、未払い残業代や慰謝料など約3,000万円の支払いを求めて神戸地裁に提訴しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この男性は、パティシエとして入社しました。勤務は早朝から深夜に及び、時間外・休日労働が342時間になる月もありました。しかし、残業代はほとんど支払われていませんでした。

2.この男性は、長時間労働が原因で「そううつ病」と診断され、1か月半の休職となりました。

3.この会社は、伊丹労働基準監督署から、2度、労働基準法違反で是正勧告されています。その後も改善されないことから、法人としての会社と幹部2人が書類送検されました。

【意見・感想・解説】

今回は、月342時間の時間外・休日労働でメンタル不調となっている事例を取り上げました。事実であれば、労災も認定される可能性があります。

精神障害の労災認定基準では、発症直前の1か月間におおむね160時間を超えるような時間外労働を行った場合は、原則として「特別な出来事」に該当するとしています。

そして、この特別な出来事に該当すれば、基本的に心理的負荷の強度が「強」と判断され、労災認定となります。また、「そううつ病」であれば、基本的には、認定基準の対象となる精神障害の発病に該当してきます。

それにしても、かなりひどい事例です。残業代を支払わず、労働基準監督署の指導を無視しているのも問題です。

おそらく、労務管理の意識がかなり欠けていたものと思われます。もし報道の内容が事実ですと、裁判では会社側にまず勝ち目はありません。

社員が一人、精神疾患を発症したのですから、猛省して再発防止に取り組んでほしいと思います。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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