飲酒強要を不法行為と認定した東京高裁判決を解説するイラスト。宴会場で上司が部下に酒を強要し、部下が拒否して困惑している様子。
上司による飲酒強要と暴言がパワハラ・不法行為と認定された東京高裁判決を解説する漫画。酒に弱い部下が宴会で飲酒を強要され、退職後に判決内容を知る場面。
東京高裁は、酒に弱い元社員への執拗な飲酒強要や暴言を不法行為と認定し、150万円の支払いを命じました。

【概要】

飲酒強要などのパワハラを受けたとして、あるホテル運営会社の元社員が同社と元上司に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決がありました。東京高裁は、一審判決を変更して飲酒強要を不法行為と認定し、150万円の支払いを命じました。具体的には以下の通りです。

1.一審判決では、元上司の別の行為をパワハラに当たると判断して70万円の慰謝料を認めました。しかし、飲酒強要は「上司の立場を逸脱し、許容範囲を超えていたとは言い難い」として、訴えを退けていました。

2.高裁では、極めてアルコールに弱い体質の元社員が少量の酒を飲んだだけで嘔吐しているのに、元上司が「吐けば飲める」と言って執拗に酒を強要したと認定しました。

3.また、元社員は、飲酒を強要されましたが、さらに、携帯の留守番電話に「ぶっ殺す」と吹き込まれる行為などが続いていました。元社員は休職後に退職扱いとなっていました。

【意見・感想・解説】

今回は、飲酒強要に関する判決を取り上げました。

飲酒強要のみならず、携帯電話に「ぶっ殺す」というメッセージを入れるとはまさに、問題です。こうした行為は、許されないことです。判決は妥当と考えます。

さて、こうしたトラブルについて、いつもクライアントにお話しすることですが、現場で発生するものです。つまり、このように裁判になったり、新聞で報道されたり、社員が退職しているようなリスクは、経営者や人事部等で気づかないうちに、発生するものです。

従って、パワハラ防止に関する社員教育がどうしても必要になります。このように被害を受けた社員が、再び出てこないように、パワハラの問題について適切に教育していく必要があります。