水道局職員の自殺をめぐり、上司の叱責やパワハラが争点となった損害賠償訴訟で、市に3,500万円超の支払いを命じた判決を伝えるイラスト
水道局職員が経験のない業務指示や叱責に追い詰められた状況と、遺族の損害賠償訴訟で市に3,500万円あまりの支払いが命じられた判決を説明する漫画
新潟地方裁判所は、水道局職員が上司の叱責などを恐れて追い詰められたとして、遺族の訴えを一部認め、市に3,500万円あまりの賠償を命じました。

【概要】

ある水道局の男性職員が、自殺を図りました。この自殺は上司からのパワハラなどが原因として、遺族が市に損害賠償を求めていたところ、新潟地方裁判所は、市に対して3,500万円あまりの支払いを命じました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.遺族は、この男性職員が上司から経験のない業務を命じられたり、罵倒されたりするなどのパワハが原因として、市に損害賠償を求めていました。

2.新潟地方裁判所は、「不当に罵倒する」などのパワハラについては、認定しませんでした。しかし、「叱責などを恐れて追い詰められ、自殺を決意した」として、訴えの一部を認めました。

3.遺族と市によると、双方とも控訴せず、判決が確定しました。

【意見・感想・解説】

今回は、パワハラが原因で自殺したケースを取り上げました。

裁判では、パワハラとは認定しませんでしたが、「叱責を恐れて追い詰められた」ということでしたので、いわゆる精神的な攻撃を受けていたともいえます。もし、遺族が控訴していたら、パワハラと認定していたかもしれません。

[パワハラ]→[メンタルヘルス不調]→[自殺]は最悪のパターンであり、今回のように実際に発生しています。

今一度、社内で問題ないか確認し、問題がある場合は社員研修等を通じて、パワハラの防止に努めると良いでしょう。

ハラスメント対策研修のご案内

今回の事案は、上司の叱責や指導のあり方が、職員を精神的に追い詰め、重大な結果につながり得ることを示しています。裁判では一部の主張についてパワハラとまでは認定されなかったとしても、職場における強い叱責や萎縮を生む対応が、従業員のメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼすおそれがある点は見過ごせません。

企業としては、ハラスメントの該当性を争う前に、職場内で不適切な言動が起きていないかを点検し、未然防止の仕組みを整えることが重要です。坂本直紀の研修では、ハラスメントの基礎知識にとどまらず、管理職としての適切な指導方法や相談対応の実務まで、現場で活かせる形でわかりやすく解説しています。

管理職の言動ひとつで、職場の安心感も、従業員の働きやすさも大きく変わります。この機会に、ハラスメントのない職場づくりに向けて、研修の実施をご検討ください。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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