日本年金機構の元職員が上司のパワハラで適応障害を発症し、労災認定された問題を表すイラスト
日本年金機構の30代元職員が上司のパワハラや退職強要を受け、労災認定後に東京地裁へ提訴した経緯を描いた漫画
上司からの大声の叱責や暴言、無視により適応障害を発症した日本年金機構の30代元職員が、労災認定を受けたうえで慰謝料などを求めて提訴した問題。

【概要】

日本年金機構の30代の元職員の男性が、労災認定されました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.上司は男性のミスを見つけると「あなたがミスをしたら理事長が頭を下げることになるんだよ」「新聞沙汰にもなるんだよ」と机をたたきながら大声で叱責していました。日常的に暴言を浴びせ、男性があいさつしても無視していました。

2.男性は適応障害を発症し、20年1月から休職しました。そして、22年5月に労災認定されました。

3.男性が休職中に別の職員との面談でADHDの診断を受けていることを伝えました。その結果、「そういうことであれば働ける場所はない」などと言われ、退職手続きの書類を送られて、退職を強要されました。

4.日本年金機構に対して慰謝料などを求めて東京地裁に提訴しました。

【意見・感想・解説】

今回は、パワハラにより、労災認定されたケースを取り上げました。

日本年金機構は、国(厚生労働大臣)の監督のもと公的年金制度の運営を国から任されている唯一の組織です。

こうした組織内でパワハラで労災認定とは、問題です。こうしたことを繰り返さないように注意してほしいものです。

さて、ミスに対して指導することは適切なのですが、大声で叱責をする理由はありません。こうした不適切な指導が繰り返されれば、メンタルヘルス不調となっても不思議ではありません。

また、メンタルヘルス不調の社員に休職中に退職を強要するのも問題です。メンタルが悪化してしまうリスクがあります。

こうなりますと、職員が機構に対して敵意を示すこともあります。今回は、民事上の損害賠償請求となっています。

パワハラをしないことはもちろんのことですが、休職中の社員に不適切な言動を行わないことも重要です。

ハラスメント対策研修のご案内

上記の事例のように、発達障害やメンタル不調を抱える社員への配慮を欠いた対応は、重大なハラスメント問題につながります。適切な知識や対応方法を理解していないことで、指導のつもりが「退職強要」「パワハラ」となり、企業側に大きなリスクが発生するのです。

坂本直紀の研修では、発達障害やメンタルヘルスに関する正しい理解、適切な指導方法、そしてパワーハラスメントを防止するためのポイントを具体的に学べます。

特に管理職の方には、こうした問題を未然に防ぐ意識とスキルの習得が求められています。組織全体で安心して働ける職場づくりを目指しましょう。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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