裁判員裁判への参加をめぐり上司が否定的発言と不必要な呼び出しを行い、パワハラで停職処分となった消防組合のイメージ
裁判員裁判で休むことを理由に上司が職員を叱責し「休みなんてだめだ」と発言するパワハラ場面のイラスト
裁判員裁判への参加を一方的に「業務の支障」と決めつけ、否定的発言を繰り返したうえ、公権休暇の当日に不要な呼び出しで業務をさせた行為がパワハラと認定。

【概要】

ある消防組合は、消防長をパワハラと認定し、停職1か月の懲戒処分を行いました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.職員が裁判員裁判に参加することに関し、業務への支障を一方的に決めつけ、否定的な発言を繰り返しました。また、公権休暇を取得していた参加当日に、必要性がないにもかかわらず急遽呼び出して、業務に従事させました。

2.この職員は、普段から、十分に業務を遂行していました。消防長は、すでに退職届を提出しています。

【意見・感想・解説】

まず注目すべきは、裁判員裁判への参加についてのパワハラでした。

裁判員参加は、国民の義務・権利の性格を有しています。

管理職である消防長が、裁判員裁判について十分な理解を持たず、業務への支障を主観的に判断し、職員に心理的圧力を与えました。

また、公権休暇を取得している職員を、必要性がないにもかかわらず呼び出したことも問題です。したがって、パワハラを認定したことは、適切と考えます。

管理職への定期的なハラスメント研修等を通じて、再発防止を図る必要があります。

ハラスメント対策研修のご案内

今回の事案は、「裁判員裁判への参加(公的な制度)」という本来尊重されるべき行為に対して、管理職が十分な理解を持たないまま否定的な言動を重ね、さらに公権休暇中の職員を必要性なく呼び出して業務に従事させた点が、パワハラ認定の大きなポイントになっています。
一見すると“業務の都合”に見える場面でも、管理職の主観的な決めつけや不適切な指示が重なると、心理的負荷を与えるハラスメントとなり得ます。

同様のリスクは、消防・自治体・民間を問わず「公的制度(裁判員、育児休業、介護、治療等)」「休暇取得」「人員不足」など、現場が逼迫しやすい職場で起こりやすいのが実情です。
だからこそ、管理職が“何がアウトで、どう対応すべきか”を、法的観点と具体事例で定期的にアップデートすることが再発防止の近道です。

坂本直紀の研修では、パワハラの判断枠組み(言動・必要性・相当性・業務上の指導との線引き)を、現場で起こりがちなケースに落とし込み、明日から実践できる「適切な指導」「相談対応」「コミュニケーション」を体系的に身につけていただけます。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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