
【概要】
あるベビー・キッズ事業を行う会社では、「こどもといっしょ休暇制度」を導入しました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.この制度は、子どもが0歳から小学校1年生になる年まで、最大で年10日間の特別有給休暇を付与するものです。また、週に1度は在宅勤務を認めています。社員(親)が子供に寄り添える時間を提供することで、子育てと仕事の両立を支援することとしています。
2.この会社では、他にも以下のような制度を実施しています。
・時短勤務・時差出勤選択制度(子供の年齢に制限なし)
・出産お祝い金の支給(1人目30万円、2人目40万円、3人目50万円)
・子女教育手当金(19歳まで毎月支給)
・有給休暇を1時間単位で利用可能
【意見・感想・解説】
今回は、「こどもといっしょ休暇制度」の導入について取り上げました。ベビー・キッズ事業を行う会社ということで、まさに子育て支援を率先して行う会社ですね。
したがって、会社としてはお客様の子育て支援に留まらず、自社の社員の子育て支援を積極的に行うことは頷けます。
それにしても、年休とは別に10日間の特別有給休暇とは、かなり大盤振る舞いです。法的には看護休暇もありますので、もしかすると休暇取得日数が結構多くなる方も出てくるかもしれません。
とはいえ、ほとんどの社員は、せいぜい緊急時に2、3日取得する感じになると思います。会社がこうした社員に歩み寄る制度を設けることで、社員の会社への帰属意識の醸成が期待できます。
一方で、会社の支援が子育てに集中しすぎますと、独身の方や子供がいない社員にとっては不公平感が出てきます。こうした社員への配慮も必要と考えます。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも私たちの会社を支え、日々まごころを込めてお仕事に取り組んでくださっている皆さんに、心より感謝申し上げます。皆さん一人ひとりの努力と創意工夫が、私たちのサービスや製品に温かみを宿し、お客様や社会に喜びを届けています。皆さんがいてこそ、私たちの会社は成長し、未来へと歩みを進めることができます。
会社は「社員が最も大切な財産である」という考えを創業以来揺るぎなく持ち続けてきました。仕事のやりがいだけでなく、人生そのものが豊かであってこそ、真の力が発揮できると信じています。その思いから、今回導入した「こどもといっしょ休暇制度」をはじめ、時短勤務や教育手当など、ライフステージに合わせたサポートをさらに充実させました。子育て中の方も、これからライフイベントを迎える方も、そして現在は子育てから少し離れている方も、それぞれが安心してキャリアを築ける環境づくりに全力で取り組んでまいります。
これから先も、皆さんが安心して挑戦し続けられる職場であるために、制度や職場環境を定期的に見直し、必要な支援を惜しみなく提供していきます。同時に、皆さんが互いを思いやり、助け合う文化をさらに育て、一緒に温かいチームを築いていけることを願っています。
どうか、自分自身とご家族、そして仲間たちを大切にしながら、これからも共に歩んでいきましょう。皆さんの笑顔と成長こそが、会社の未来を照らす大きな光です。引き続きよろしくお願いいたします。
代表取締役社長〇〇〇〇
こどもといっしょ休暇制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員が子どもの成長段階に応じて仕事と育児を両立し、安心して就業継続できる職場環境を整備することを目的とする。
(定義)
第2条 本規程において「こども」とは、社員の同居扶養する子であって、出生の日から小学校1年生となる学年の末日までの者をいう。
2 「特別有給休暇」とは、第4条に定める休暇をいう。
(対象者)
第3条 本規程の適用対象者は、前条に定めるこどもを養育する全社員(正社員・契約社員・短時間正社員・パートタイマー)とする。
(特別有給休暇の付与日数)
第4条 会社は、前条の社員に対し、1年度につき10日を上限として特別有給休暇(以下「こどもといっしょ休暇」という)を付与する。
2 年度とは毎年4月1日から翌年3月31日までとし、付与日数の繰越しはできない。
(休暇の取得単位)
第5条 こどもといっしょ休暇は、1日または1時間単位で取得することができる。
(在宅勤務の併用)
第6条 社員は、こどもといっしょ休暇の対象期間中、週1回を上限として在宅勤務を選択できる。
2 在宅勤務の実施に際しては、別に定めるテレワーク勤務規程を準用する。
(時短勤務・時差出勤の選択)
第7条 社員は、こどもといっしょ休暇の対象期間に限らず、必要に応じて時短勤務または時差出勤を選択することができる。
2 具体的運用は就業規則および短時間勤務規程による。
(申請手続)
第8条 こどもといっしょ休暇および在宅勤務を利用する社員は、所定の申請書に必要事項を記入し、原則として取得予定日の前日までに所属長を経由して人事部に提出するものとする。
2 緊急の場合は事後申請を認めるが、速やかに理由書を提出しなければならない。
(賃金)
第9条 こどもといっしょ休暇取得日に対しては、通常の賃金を支給する。
(不利益取扱いの禁止)
第10条 会社は、こどもといっしょ休暇および在宅勤務を取得したことを理由として、社員に不利益な取扱いをしてはならない。
(制度の見直し)
第11条 会社は、運用状況および社会情勢を踏まえ、必要に応じて本規程を見直すことができる。
(雑則)
第12条 本規程に定めのない事項は、労働基準法その他の法令および就業規則の定めによる。
(附則)
第13条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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